今日は、あるお客様からご紹介頂いた、たいへんなキャリアがおありの洋服の直し屋さんに、私・店長Dの私物の洋服をお願いしに伺いました。(絶対に勉強になると思ったので、スタッフYも連れて行きました。)


私のように洋服が好きすぎるとですね、モーレツに欲しい洋服があり、それがものすごくレアで他では決して手に入らないとかのレベルですと、偶然見つけたときに「運命(という名の言い訳)」のもとに、その洋服のサイズが自分のジャストフィッティングよりも大きくても、「あとで直せばいいんだ・・・」という信じられない理屈で「とりあえず買う」という暴挙に出たりするんです。笑

今日お願いした洋服のうちの1着が、そのとき買ったテーラードジャケットだったのですが、これはもう最初からワンサイズアップのものを買っているので、基本フィッティングがおかしいわけです。しかも、最もそういう買い方をしてはいけないテーラードウェアですからね。笑

たとえば袖丈が長すぎて指の第二関節あたりまできていたり、肩はいかっていて、身幅・胴回りもなんだか寸胴に見えますし・・・。ともあれ、基本的には50年以上のキャリアがおありのそのお直し屋さんにおまかせして、サイジングを修正して頂くことにしました。なんというか、お話ししていて、もうその方の目に仕上がりが見えているような気がしたのですよね。


ただこれは我ながらファインプレーだったなと思ったのは、実は同じブランドの別のテーラードジャケットを、サイズのサンプルとして持参したんです。こちらは私自身が持っているジャケットの中でも最高のフィッティングだと感じ愛用しているもので、「パターンは微妙に違うものの、これに近いサイジングが良いのですが・・・」と話すと、「分かりました。こちらはお預かりしても良いですか?」「はい、もちろんです」「それでしたら大丈夫です」と。

そのサイズサンプルのジャケットを見て、よりイメージが固まった様子でした。やはりこういうことはライブなのだな、コミュニケーション次第なのだなと感じました。


ちなみに、私が今日お願いしたテーラードジャケットの袖先は本切羽の仕様なので、袖丈は肩で詰めるほかありません。でもそのときの会話は、「これ本切羽なんですよね」「じゃあ肩で上げておきますね」の往復だけです。「丈詰めやウェスト出しなどは基本ですからね」と、その直し屋さん。

先日靴の修理屋さんが「基本ソールの修理はなんとでもなる」と言っていたとお話ししましたが、本当、経験と知識のある優秀な直し屋さんだと、こういうレベルなのだなと感服させられました。

ということは、同じく本切羽の仕様であるRobes&Confectionsのテーラードジャケットも、熟練の直し屋さんにかかれば、当たり前のように肩で袖丈を詰めてくれるはずなのです。もし本当に気に入って下さっていて、「サイジング&フィッティングはOK」「唯一袖丈が自分には長い」というときに、それだけを理由にそのアイテムを諦めるのはもったいないかもしれないと、改めて感じました。


他にもいろいろお話をしたのですが、その端々でご自身の仕事への誇りや矜恃のようなものを感じ、たいへん感銘を受けましたし、何より勉強になりました。キャリアがあるプロフェッショナルの方と、その方の仕事への姿勢(=英語でいう”Attitude”)にはいつも強いリスペクトを覚えます。

仕上がりは秋かなと思っていたのですが、それほど待たずに連絡を頂けそうです。今回お直しをお願いしているテーラードジャケットは、当然ながら今まで一度も外で着たことがなかったので、仕上がりが本当に楽しみです。そのアイテムが「生まれる瞬間」をワクワクしながら待ちたいと思います。

 

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