kokochi sun3でつかわれる革の「ロットによる個体差」のご説明(→「インディ・マット」誕生のお知らせ)です!

こんにちは、インタレストです。

本日は、ちょっと細かいことですが、でも結構重要なお話をさせて頂きます。それは、kokochi sun3の革靴でつかわれる革の「ロットによる個体差」についてです。

そして、ちょうどその件について森田さんと話していたときに、「じゃあこんなのどうです?」という森田さんのアイデアで生まれた「インディ・マット」という新しい種類の革(早速イチオシの革です!)についても、合わせてご案内いたします!

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以下は、今後kokochi sun3で革靴をオーダーを検討頂く際に、ちょっと思い出して頂けると良いかなという類のお話です。(もちろん、私たちもその場で必要に応じてご説明いたしますので、ご心配には及びません。)

 

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1,「ロット」とは??

「ロット」というのは、革を例にとってごくシンプルに、かつごく分かりやすくお話しすれば、たとえば以下のようなことです。

  • あるとき森田さんの工房で「インディ」の大きな革を5枚仕入れました(ロット#01)
  • 半年程経過して、その5枚がそろそろなくなりそうだなというタイミングで、今度は少し多めに10枚仕入れました(ロット#02)
  • その10枚が2年後になくなったので、今度はまた新たに5枚仕入れました(ロット#03)

(繰り返しますが、話をシンプルにするために現実的ではない設定になっています。)

 

ロット#01の5枚の革は同じ原皮(げんぴ)を同じタイミングで加工してつくった革なので、その5枚はほぼ同じ表情で仕上がってきます。

けれども、その半年後のロット#02の10枚は、ひょっとするとロット#01のときとは違う原皮が元になっているかもしれないので、加工するためのレシピも原皮に合わせて少しアレンジされている可能性があり、仮にそうだとするとロット#01の5枚とロット#02の10枚は、互いに少し違う表情になっているかもしれません。

ましてや、その2年後のロット#03の5枚の革は、少なくとも2年半前のロット#01とは原皮もそれに基づく加工のレシピもまず間違いなく別のものなので、そうなると、ロット#01の5枚とロット#3の5枚の表情は結構違っていてもおかしくありません。

もちろん、工場(=「皮」を「革」にするタンナー)は、なるべくロット毎の変化が小さいように注意を払って生産するわけですが、ロット毎の原皮の状態が著しく違っていると、仕上がる革の表情が違ってくるのも、ある程度仕方がないことでもあります。それなので私たちはいつも、「革は生ものです」とお話しするわけです。

 

ご参考です。3年前に入荷した「たいこのおと」。「バサラ」というベジタブルタンニンなめしによる牛革ブラウンのボディです。
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そしてこちらがつい先日お嫁に行った、同じく「バサラ」のブラウンをボディにしてつくられた「たいこのおと」です(お客様によるオーダー靴です)。3年前と今とで私たちの撮影技術もだいぶ向上している・・・はず!(笑)なので、多少はそのこともありそうですが、でもそれを差し引いてもずいぶん色味が違いますよね。
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2,「インディ」と「インディ・マット」

上のロットの話をご理解頂けますと、これ以降のご説明は、すんなり頭に入ってくると思います。

kokochi sun3のオリジナルレザーである「インディ」の初回ロット(=初めてつくったインディ)は、おそらく今から1~1年半前のものだと思います。当然ながらその初回ロットのインディは今ではまったく残っておらず、現行ロットのインディはもう何代目かになっているはずです。

実はその「現行ロットのインディ」が、とりわけ初回ロットと比べると、ずいぶん「きれいめ」に仕上がっているのです。お気づきになられた方、いらっしゃいますか?もしいらっしゃったら、その方は相当のkokochi sun3通だと思います!笑

こちら、現行ロットのインディです。今春夏シーズンより、カーキ、DKブラウン、ブラックの3色が加わって4色展開になりました。でも、この画像を見ただけだと全然分からないですよね。
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たとえば、こちら「Jose」という今春夏シーズンの新作靴ですが、左が現行ロットのインディ(カーキ)、右が同じくインディ(キャメル)+インディ(カーキ)でつくられています。見るからにつやつやしていますよね。
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こちらも同じく今シーズンの新作靴である「Rosa」。左が現行ロットのインディ(ブラック)、右が同じくインディ(DKブラウン)でつくられています。やはり相当つやがあります。実際、これらの靴を見たとき、森田さんに「これ本当にインディですか?」と聞いてしまったくらいです。それくらい、それまでのロットと表情が違います。
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ではこちらを見比べてみて下さい。右が現行ロットのインディ(カーキ)でできたサーカス、そして左が、実は一つ前のロットのインディ(キャメル)でつくられた「らるごHSS-SL」なのです。両者の表情の違い(色の違いではなく)、お分かりになりますでしょうか?
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もう一度、現行ロットのインディです。森田さんの話によると、事情があって、これまでとは違う原皮がつかわれているそうで、それを従来のレシピで加工したところ、このようなつやが上がったらしいとのことでした。つやが上がるというのは、革のクオリティの面からはむしろ良いことなので、これはこれで十分「あり」だと思います。「良い悪い」ではなく、「ロットの違い」ということです。
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そして、こちらが一つ前のロットのインディ。そう、でもこのマットな雰囲気のインディ、私たちインタレストはとても好きだったんです。実際、一部のお客様からは「これまでのインディの方が好み」というお声も頂戴していました。森田さんと打ち合わせをしているときにそのことを伝えたところ、「なるほど、じゃあこんなのどうです?」と提案があって、「それ可能なんですか?ぜひ見たいです!」と即答でお願いしたのでした。
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そうした経緯があって、めでたく誕生したのがこちらの革「インディ・マット」です!

現行のつやのある「きれいめ」インディを、森田さんたち靴職人たちが再加工して、これまでのインディに近い表情にしてくれたのです♪ 本当に素晴らしく「味」のあるマットな表情で、インディの大きな魅力である「鹿革並のやわらかさ」もいっそう感じられて、私たちインタレストとしても、手放しにオススメしたい革に仕上がっています!
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各色、現行ロットのインディとインディ・マットを重ねて並べてみました・・・が、これが悔しいほどお伝えしにくいのです!両者の表情はぜんっぜん違うのですが・・・!
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下が現行ロットのインディ(カーキ)、上がインディ・マット(カーキ)。まずマットには、その名の通り「つや」がありません。シボも適度にあって、「革らしい革」になっています。
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下が現行ロットのインディ(DKブラウン)、上がインディ・マット(DK)。こちらの方が分かりやすいでしょうか。
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なお、今後オーダー頂けるときは、インディもインディ・マットもどちらもお選び頂けます。きれいめでつるっとした靴にしたいときはインディを、カジュアルでマットな雰囲気の靴にしたいときはインディ・マットをご指定頂けると良いと思います!むしろ選択肢が増えて嬉しい結果になりましたね~!

キャメル。上がインディ・マット、下がインディ。
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カーキ。上がインディ・マット、下がインディ。
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DKブラウン。上がインディ・マット、下がインディ。キャメル、カーキ、そしてこのDKブラウンでは、インディ・マットとインディが驚くほどに「違う革」です。
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ブラック。上がインディ・マット、下がインディ。ブラックでは「きれいめ」の靴をつくりたいというニーズも結構あるかと思いますが、そういうときはマットではなく、オリジナルのインディをおつかいになるのが良いと思います。
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3,「ハンコック・ワイン」

インディと同じくkokochi sun3のオリジナルレザーである「ハンコック」。最初からやわらかく、元がスエードなので水に強く、かつオイル加工されているので普通のクリームがつかえてしまうなど、その圧倒的な機能性で多くのお客様からご好評を頂いている革です。
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このハンコック・ワインの現行ロットが、初回ロットに比べて結構「赤い」・「薄い」ということが分かっています。こちらの画像で、上が初回ロット、下が現行ロットの、それぞれハンコック・ワインです。
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初回ロットのハンコック・ワインは、馬革ワインの色味とほぼ同じでした。一方、現行のハンコック・ワインは、それと比べると、「赤い」・「薄い」という印象があります。右側の馬革ワインと見比べると一目瞭然ですよね。実はこの「赤い」・「薄い」ハンコック・ワインも結構人気で、「むしろこちらの方がいい」と仰るお客様も少なくないのですが、一方でかつての濃いハンコック・ワインをお望みのお客様がいらっしゃることも事実です。
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そこで、本件についても森田さんと議論した結果、オーダー頂くときにご指定頂けましたら、森田さんの工房でかつての濃いめのハンコック・ワインの色味に近づける加工を施した上で、ご希望の靴をおつくりすることもできることになりました!

もちろん、私たちも店頭にてご確認するようにいたしますので、「忘れてしまったらどうしよう」などといったご心配には及びません。

 

あとですね・・・これはテクニックなのですが、「濃さの加減を気にせず、ひたすら濃くする着色」って、実はかなり簡単なんです。どなたでも、ご自宅でやって頂けます。このハンコック・ワインについては、たとえばこちらの「モウブレイ・シュークリームジャー」(税抜き800円)の「レッドブラウン」という色をつかうと良いです。私たちインタレストが、馬革やハンコックのワイン色の補色ケアのつきにつかうクリームです。
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適量取って、革に直接グリグリ塗り込むだけです。加減が分かるように、素手でやると良いです。この画像の右上、数段階ワイン色が濃くなっているのがお分かり頂けるかと思います。ここに、上のクリームをグリグリ塗り込んだのです。
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その部分を、初回ロットの濃いめのハンコック・ワインの色味と比べてみると、この通り、ほぼ同色にまで濃くできています。その意味では、最初は「赤い」・「薄い」現行ロットのハンコック・ワインでそのままオーダー頂いて、あとから「もう少し濃い方がいいな」とお感じになられたときに、こんな風に補色されるという順番も良いかもしれません。(一度濃くしたら薄くするのは難しいので) 実際、この方法をご自宅でお試しになっておられるお客様も何名かいらっしゃいます。
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4,ハンドステッチ

4月の受注販売会のときに、森田さんから「ちょっとだけですが、ハンドステッチの色味が変わったので、今度見本を送りますね」と言われていたのですが、それが届きました。こちらが新しいハンドステッチです。
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こちらが、これまでのハンドステッチです。
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じっくり見たところ、具体的には、1番のレッドが若干明るい色味になって、2番のエメラルドブルーと4番のグリーン、7番のDKブラウン(見切れていてすみません!)がそれぞれ若干濃いめの色味に変更になったようです。もっとも、ハンドステッチの変更については、森田さんの言うように「ちょっとだけ」ですし、靴の中で占める面積も小さいので、上のインディやハンコック・ワインほどお気になさる必要はないように思われます。
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全然関係ありませんが、ハンドステッチの土台になっているヌメ革の変遷を(笑)。一番左が3年物、その次が1年半もの、そして右2つが新品です。普段は壁に掛けてあるだけなのですが、たくさんの方のお手に触れているので、こうして焼けていくのですね!思わぬところで、革のエイジングのご紹介ができてしまいました。笑
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本日は以上です!

上でも書きました通り、ロットの違いによる革の表情の相違については、ある程度仕方がないことではあるのですが、でもやっぱり「あのときのあの革の表情が目当てだったのに!」というお客様のお声があることも認識しております。(そしてそのことを、折を見て森田さんに伝え続けてもいます。)

たとえば上でご紹介した「インディ・マット」のように、そういうことに「できる限り」においてきちんと対応してくれるkokochi sun3は、やっぱりとても安心感がありますよね!

というより、そのロットの違いをいわば逆手にとって生まれた「インディ・マット」の表情が実に素晴らしいので、インタレストとしては、むしろ積極的にお客様にご案内していこうと考えています!豊かな表情に加えて、やわらかくて、それでいて腰もあって、kokochi sun3のいろいろなモデルでピッタリはまりそうだなと、ワクワクしております!既に店頭に革見本を控えておりますので、ぜひお気軽にご相談下さいませ!

インタレストは明日ももちろん通常営業です!多くのお客様のご来店とお問い合わせを、心よりお待ちしております!

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