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Tag: kokochi受注会2023JAN (page 2 of 2)


<イベント>ココチブランド受注会(1/21~29)のご紹介 2/2: 待望のMUKUのリニューアルリリースと、イベント概要について

 

こんにちは、インタレストです。

 

*本記事は、こちらのリンク先でアップ済みの前編(1/2)に続く後編(2/2)です。

 

 

次の週末、1月21日(土)~29日(日)の会期にて、インタレストの2023年の第1段イベントとして、靴作家・森田圭一さんによる「ココチブランド」の受注販売会「路地裏の靴作家 vol.21」を開催いたします。

1年に2度のメイン受注会なので、会期末の週末1月28日(土)・29日(日)の2日間は、森田さんも来京&在店します。ぜひ今からご予定下さいませ!

 

 

 

 

 

今回vol.21では、近年でも特に大きなトピックがありますので、いつもは1回でまとめるイベント紹介ブログを2回に分けてお届けしようと思います。

本日の記事では、前半でご紹介したSEシリーズに負けず劣らずの嬉しいニュース「MUKUのリニューアルリリース」と、あとはいつも通り、特に「はじめまして」のお客様に向けたイベント概要についてご紹介いたします。

 

 


 

 

1, MUKUが新たに「MUKU BIG FOOT」としてリニューアルリリース

 

 

kokochi sun3が誇るイージーシューズとして不動の人気を誇る「MUKU」が、名前を変え「MUKU BIG FOOT (以下、MUKU BFと表記)」となり、リニューアルリリースされました。この新作靴を、インタレストでは今回はじめてご紹介いたします。

MUKU BFの価格は税込み42,900円で、これは税抜き39,000円なので、もともとのMUKUと比べると価格はお安くなっています。昨日のブログ記事でご紹介した「SEシリーズ」と同様、製法をはじめ様々な要素をゼロから見直すことで、以下でご説明するような明らかな進化をみながら低価格化が実現しています。

なお、画像のサンプルはALASKAやKuduなど+5,500円の有料オプションがかかるレザーでつくられていますが、それらは厚みがありライニングが不要であることから、定価通りの42,900円でオーダー頂けます。この点も嬉しいですよね。

 

 

 

ことあるごとに様々なトピックを携えて登場していたエース靴の一角である「MUKU」。この靴は見た目はきわめてシンプルでカジュアルなスリッポンなのですが、実はつくりはきわめて本格的な「靴作家によるハンドメイド靴」です。

そもそも制作工程自体がとても手間のかかるものですし、アッパーに切り替えがないためキズやシミのない大きな面積の一枚革を用意する必要があり、その上つかうことのできる革も限定的だったりと、つくり手にとても高いコストを要求する靴でした。

ただ、ココチブランドへの入門靴として常に人気ですし、リピーターになって下さる方も多いので、これをなんとかしたい・・・ということで、森田さんは靴の構造はもとより、制作工程や素材、パターン、ディテールまで見直して、リニューアルリリースを実現してくれました。

 

 

 

 

そのMUKUのリニューアルで、「ここが変わった」「ここは変わらない」という点について、特にお客様が実際にオーダー下さるときに必要な情報に絞って、大きく3点ご紹介いたします。

 

(1) 変わること: ソールが通称「シャークソール」に変更

 

新星MUKU BFのこれまでとの一番大きな違い、それがひと目で分かるソールの変更です。具体的には、従来の天然ゴムソール(=「クレープソール」)から、ギザギザが特徴的な通称「シャークソール」(←見た目がサメの歯のようなので)へと変更されています。

アッパーのシンプルさに対するアクセントというデザイン的な意味と、制作工程上の理由双方があるようですが、私たち個人的にはこの新デザインがとても気に入っています。明確に「普通じゃない感」があり、それがエッジになっていてとてもスタイリッシュな印象です。

MUKUはアッパーがシンプルなスリッポンなので、今回のシャークソール導入によって、オシャレな雰囲気が大きく増したと感じます。

ちなみに履き感については、この見た目とは裏腹に、他のビブラム社のラバーソール同様にクッション性がありすべりにくく、抜群に快適です。シャークソールは、ホワイトかブラックの2色からお選び頂けます。

 

 

 

 

 

(2) 変わること: あらゆる革がつかえるようになります

 

これまで、実質的には鹿革とKuduレザーくらいでしかつくることができなかったのですが、新星MUKU BFでは、基本的には素材としてラインナップされているあらゆる革でつくれるようになりました。この点こそが、今回のリニューアルで最大のポイントだと思います。

これは主に、柔軟性の低い革をつかうと破れてしまうリスクがあったV字になっている甲の部分が、製法のアップデートによって強化されたためで、今後は安心して、ブランドがラインナップしている多彩な革を自由にセレクトして頂けます。

 

サンプルでは早速、これまではあり得なかったALASKAもつかわれていたりして、(1)でご紹介したシャークレザーのインパクトも相まって、とてもユニークでエッジの効いたスリッポン革靴になっています。ぜひ店頭で実物をご確認下さいませ。

 

 

 

 

 

(3) 変わらないこと: 見た目を変えず、足幅の「普通」or「狭め」を選んでオーダー可能

 

もともとMUKUは構造上横幅が大きく、さらに靴ひもがなくて甲で柔軟に締めることができないことから、足幅が狭い方や甲が低い方が履くと、簡単に「かかと」が抜けてしまうという弱点がありました。定番靴であるMUKUは、実は「足を選ぶ靴」だったのです。

そうした状況のなか、MUKUが欲しくても諦めざるを得ないお客様が多くいらっしゃったことに対して森田さん応える形で、オリジナルの木型と比べて横幅と足囲が小さい、MUKU専用の「モディファイド・ラスト(=修正ラスト)」が誕生しました(→下の画像がその実物)。2019年春のことです。

これによって、たとえば同じ23.0cmのサイズでも「幅・普通(オリジナル)」と「幅・狭め」という風に、お客様の足型に合わせて柔軟にオーダー頂けるようになりました。

 

 

 

この仕組みがMUKU BFになってもそのまま踏襲され、呼び名だけが業界で一般的な「Eウィズ(=幅・普通)」と「Dウィズ(=幅・狭め)」に変更となりました。

もっとも、この点については「自分の足だけどよく分からない」というお客様が大半だと思いますので、店頭で足型を計測する際と、後日その足型を森田さんに見てもらったときに、こちらで最適なものをご提案させて頂いて折ります。どうぞ安心してMUKU BFをオーダー下さいませ。

 

 

 

これら3点以外についても大小いろいろな変化があって、履き感も少し変わっているようなので(←私たちもこれから試着するのが本当の楽しみです)、皆様もぜひ会期中の店頭で早速お試し下さいませ!

 

 

 

 


 

 

2, 現在おつかい頂ける革のラインナップにつきまして

 

 

本項では、今回の受注会でおつかい頂ける革で、特に最近よくオーダー頂いている人気の素材を簡単にご紹介いたします。(ここでご紹介している革は、全ラインナップのほんの一部です。店頭では、現在おつかい頂けるすべての革のすべての色の見本をご覧頂けます。)

現在ココチブランドでおつかい頂ける革のラインナップの豊富さは、改めて目を見張るものがあると思います。間違いなく過去一番で充実していますので、お目当ての靴のオーダーに、ぜひセレクトしておつかい下さいませ。

 

ココチブランドでラインナップされている革素材は「ナマモノ」で、豊富にあったかと思えば突然問屋さんの在庫もなくなってしまったり、同じ革の種類でもそのときどきで品質に大きな差があったり、世界情勢や為替動向などで大きく値上がりしてしまったり・・・と、本当に毎半年その中身が変わっていきます。

その意味で、「つかいたい革の状態が良いときはそのときにつかう」というのが鉄則であるといえます。特に現在インタレストでダントツ一番人気のKuduについては今はまだご案内できますので、ぜひご検討下さいませ。同じく人気のALASKAは海外産(イタリア産)のため、やや安定した供給に不安が出てきている様子です。

 

 

*以下、基本的に過去の記事からの引用ですが、「お客様のココチ」の画像についてはアップデートしています。どれもこれも素晴らしい仕上がりなので、以下ぜひご一覧下さいませ。

 

 

 

1, KUDU(クードゥー)

*アップチャージ(税込): 5,500円

 

KUDUというのは日本語で「クードゥー」「クーズー」などと呼ばれる、見た目はヤギに似たウシ科の動物で、まずはとにかくその裏革(=スエード)の美しさに定評があります。発色が実に鮮やかで、なでるとベロア生地のようなつややかな光沢が上がります。やわらかく柔軟性にも優れており、かつ起毛皮革なので防水スプレーを用いれば雨の日でも安心して履いて頂けます。

一方、流麗で上品な裏革とはまさに好対照で、その表革については俗に「トラ」と呼ばれる強いシワやアタリが革全体に縦横無尽に走っていて相当に野性的です。もちろんどの色の表or裏を、どの靴向けにつかうかは、お客様皆様が自由にお選び頂けます。

 

 

ワイルドな表革の荒々しさ、端正な裏革の上品さ、そしてその極限的なやわらかさ。いま、ココチブランドの靴をパーソナルオーダー頂く際に、インタレストで最も採用率の高い革がKUDUレザーです。

現在安定しておつかい頂けるのは、CAM・DK-BRN・BLKの3色です。

 

 

こちら、各色の表革・裏革の対比をぜひ改めてご覧下さいませ。

 

 

 

以下、KUDUレザーをつかっておつくりした「お客様のココチ」です。

 

 

 

 

 

 

2, アラスカとアマゾニア

*アップチャージ(税込): 5,500円

 

アラスカ

 

アラスカはもうリリースされてから3年ほど経つので、ココチブランドを見て下さっているお客様からすると定番レザーになりつつあると思います。ブランドがラインナップしているすべての革でも屈指のナチュラルレザーで、イタリアのタンナー”La perla Azzurra(ラ・ペルラ・アズーラ)”社製の強靱なバケッタレザーです。

この革については、この日のブログ記事をぜひご参照下さいませ。

当時ご紹介したこの革の魅力については、お客様の足元でエイジングを重ねるのを拝見している今にいたっては、そのとき以上に素晴らしいものと感じています。

 

在庫している色のラインナップは常に変動していて、現在おつかい頂けるのはPNK・NAT・IVORY・DKBRN・GRY・BLK・BLUの7色です。

ちなみに、次にご紹介するKuduレザーと同様、リリース当初は期間限定レザーだったのですが、ともに評判が良いため、在庫が安定している色を中心に森田さんがストックしてくれるようになっています。いつまでおつかい頂けるかわかりませんので、ぜひあるうちに採用頂けましたらと思います。

(とにかくよく焼ける革なので、たとえばピンクとラズベリー、あるいはナチュラル・アイボリー・グレーあたりは、1年くらいすると同じような色に育っているかもしれません。笑 このモーレツなエイジングの楽しさも唯一無二でアラスカでしか味わえませんので、ぜひご賞味下さいませ。)

 

 

 

ALASKAブラックの驚異的な焼けっぷりをご覧下さいませ。奇数枚数目が新品時、偶数枚目が2年物くらいの表情です。

どの色も焼けると飴色が上がってきますので、ブラックはご覧のようにとんでもなくカッコ良いカーキ色に育ちます。逆に、こういう「革が焼けて色が変わる」のが好きではないという方には不向きの革です。

 

 

 

以下、アラスカをつかっておつくりした「お客様のココチ」です。

 

 

 

 

 

 

アマゾニア

 

そして、まったく同じタンナーによる別のバケッタレザー「アマゾニア」が、NVYとBRNの2色でラインナップされています・・・が、ともに在庫はわずかとのことです。

このアマゾニア、厚さも硬度もおおよそアラスカに近いですが、それと比べるとかなり鮮やかな色味なのが特徴的で、定番色ながらこれまでにない雰囲気の、とても爽やかな革靴になります。

下にこの革のNVYでおつくりしたTramp-Hiの画像を掲載していますので、ぜひご参照下さいませ。新品時の爽やかな雰囲気も良いですが、焼けて色が濃くなっていくであろう未来の方がずっと楽しみな靴です。(「焼けて色が濃くなった」バージョンの画像も掲載しております。)

 

 

 

 

左が新品、右が1年物です。たった1年で・・・!

 

 

 

 

 

3, ヴィテッロ・フィオーレ (BLK、NVY)

*アップチャージ(税込): +13,200円

 

革が好きな人であれば100人いれば100人が知っているという、イタリアが誇る世界で最も有名なタンナーの1社であるGUIDI&ROSELLINI社(=以下、単にGUIDI)による、「仔牛の花」という粋な名前の付いた、彼ら独自のバケッタ製法によるナチュラルなカーフレザーです。

 

現在はブラックとネイビーの2色を展開しています。こうしてブラックと並べて撮影しても、色味の違いがわからないくらいダークな色味のネイビーです。信じられないほどカッコ良いので、ぜひ実物をご覧頂きたいです。

 

 

 

GUIDIレザーならではのオイリーでヌメッとした質感と、表面を覗き込んでも見えないくらいのキメの細かさが素晴らしく、この最高峰の高級レザーをココチブランドが扱うと聞いたときには、「ついに!」と身体が震えるほどのモーレツな興奮を覚えました。

GUIDIレザーといえば、その豊かなエイジングがその最大の魅力です。新品時はマットなその質感は、おそらく履き込まれてていくにつれて、美しくナチュラルな光沢を放つ、つややかな表情に育っていくはずです。それもご存分にお楽しみ頂きたいと感じます。

 

 

以下、ヴィテッロ・フィオーレをつかってつくられた「お客様のココチ」です。この革でつくる靴は本当に言葉では表せないくらい「美しい靴」に仕上がります。

(画像1枚目&2枚目がブラックで、残りの画像はすべてネイビーです。)

 

 

 

 

4, ジオラマ (MAP、SNOW、BLK、NVY、BRN)

*アップチャージ(税込): MAP+11,000円、SNOW+5,500円、その他±0円

 

THE LANDSCAPESのデザイン&制作と強くリンクして生まれた、ココチブランドオリジナルのヴィンテージの「ニベ革」です。

ニベ革とは裏革で、本来はタンニング(=皮を革として生成する工程)で整える毛足をあえてそのままにして、荒々しくワイルドな表情のままになっている革のことです。(美しく整えられた裏革が、一般的にスエードと呼ばれます。)

 

 

 

それにしても、ココチ流ニベ革は強烈なまでに荒々しく、それゆえに雄々しくたくましい表情に仕上がっています。THE LANDSCAPESだけでなく、それこそTHE HIKEや別のモデルでつかっても絶対にカッコ良いです。ヴィンテージレザーならではの「奥行き」のようなものも感じます。

このあたりの詳細につきましても、森田さん自身が語るTHE LANDSCAPESのページで紹介されています。

特に”MAP”という名前のついた、森田さん自身が後染めで加工している独特の色について、革の名前が「ジオラマ」となった経緯も含めて、ぜひご一読頂けましたらと思います。

 

  • THE LANDSCAPES~その製法や素材について >こちらから
  • 創作ストーリー~kokochi sun3 THE LANDSCAPES 「空から見下ろす景色と靴と」 >こちらから

 

 

 

以下、ジオラマをつかってつくられた「お客様のココチ」です。”map”のTHE HIKEは「最高!!」のひとこと。こんなにユニークな革で、本格的なハンドソーンのトレッキングブーツなんて、見たことがありません。最高!!

 

 

 

 

5, ジビエ (NAT)

*アップチャージ(税込): 5,500円

 

野山や森で、あくまで人間にとっての「害獣」として駆除されているイノシシ。肉は駆除する方々当人であったり、特別な卸先であったりで調理され料理として振る舞われているそうですが、これまでその皮は「産業廃棄物」として処理されているそうです。

森田さんが普段から親しく付き合うタンナーがその現状をみて、その皮をすすんで引き取った・・・は良いものの、分厚くカチカチに固いその皮は、徹底したタンニングによって「革」にしてもなお、扱いにくい素材だったようです。

タンナーからこの革の使い道について相談を受けた森田さんは、その状態のジビエの「革」を自分の工房で自身の手で、革靴の素材としてつかえるものに加工し、タンナーと繰り返し検討を重ねてその状態で納品してもらえる見通しが立ったそうです。

 

 

 

森田さんは、このジビエレザーについて、とても興味深い話をしてくれました。

「単に『皮』を『革』にしただけの状態で、二次加工はほとんど何もしていない状態です。それなので、10足つくって10足納品して、たとえば5年後・10年後に『全員集合!』とできたら、絶対に1足1足違う表情に育っているはずなんです。色も違うだろうし、表情も違うと思う。そんな風に、お客さんと一緒にストーリーをつくっていける、すごくおもしろい革だと感じているんです。」

 

私たちインタレストは、このナチュラルさが極まったジビエレザーと、美しさが極まったヴィテッロ・フィオーレとが同時にラインナップされ、そしてまったく同じモデルの靴で採用できるというココチブランドの多様性・柔軟性に、改めて底知れないワクワク感を覚えました。

このジビエレザーは、THE HIKEのサンプル1足で採用されています。森田さんをして「絶対にこの革をつかってTHE HIKEをつくりたかった」と言わしめる作品、こちらもぜひ店頭でその実物をご確認下さいませ。

 

 

 

 

 

昨日の記事と本記事のここまでが今回のトピックで、これ以降では、ココチブランド受注会「路地裏の靴作家」とはどのようなイベントかにつきまして、毎回ご案内している内容をアップデートしてお伝えいたします。

 

特に今回が初めてのご参加となるお客様におかれましては、ぜひご一読下さいませ。イベントをいっそうお楽しみ頂けるかと思います。

 

 

 

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<イベント>ココチブランド受注会(1/21~29)のご紹介 1/2: kokochi sun3の新作「SEシリーズ」の詳細なご紹介

 

こんにちは、インタレストです。

 

 

*本記事は、前後編の前編(1/2)です。後編(2/2)はこちらのリンク先でアップ済みです。

 

 

次の週末、1月21日(土)~29日(日)の会期にて、インタレストの2023年の第1段イベントとして、靴作家・森田圭一さんによる「ココチブランド」の受注販売会「路地裏の靴作家 vol.21」を開催いたします。

1年に2度のメイン受注会なので、会期末の週末1月28日(土)・29日(日)の2日間は、森田さんも来京&在店します。ぜひ今からご予定下さいませ!

 

 

 

 

 

今回vol.21では、近年でも特に大きなトピックがありますので、いつもは1回でまとめるイベント紹介ブログを2回に分けてお届けしようと思います。

本日の記事では、まさにその「特に大きなトピック」である、ブランドのカジュアルライン・kokochi sun3の新シリーズ「SEシリーズ」についてご案内いたします。

 

 


 

 

1, kokochi sun3の新作靴「SEシリーズ」の2足をご紹介

 

 

今回からkokochi sun3のラインナップに、新たに「SE(エスイー)シリーズ」が加わります。

SEシリーズは、ひとことでいうなら、靴作家・森田圭一が制作するハンドメイド靴に「興味がある」という多くのお客様の、「欲しいけど高額で買えない」という声にお応えすべく、これまでよりご検討頂きやすく、お求め頂きやすい価格設定でご提供する靴たちです。

 

SEシリーズには、大きく以下の3つの特徴があります。

 

  • 既存の人気モデルをベースに、見た目はそのままに、オリジナルと比べて実質的に4~5割低い価格を設定
  • 製法や素材、工程、ディテール、あるいはオーダー方法まで、文字通り抜本的に見直すことでローコスト化を実現
  • 低価格化しても、ブランドが掲げる「何年も、何十年も」履けるハンドメイド革靴としての機能性は維持

 

 

いろいろご説明するより、実物の見て頂いた方がわかりやすいので、そのコンセプトや目的などは後回しにして、今回リリースされるSEシリーズ第1段モデルである2種類の新作靴「SE hold-on hi」と「SE corne」を先にご紹介いたします。

まずはヴィジュアル面でのインパクトを。きっと「見た目(外見)」と「価格」に驚いて頂けることと思います。

 

 

SE hold-on hi: 59,400円(税込み、ソール裏ゴム貼り込み)

 

 

 

見た目はオリジナルの「hold-on hi」そのもので、価格はなんと税込みで5万円台(税抜きだと54,000円・・・!)。オリジナルは、同じソール裏ゴム貼りの仕様でオーダーすると税込みで約10万円です。

今回、店頭展示用の商品は、ブランドオリジナルの「ラ・ストラーダ」という牛革をつかったダブルレザーソール仕様と、Kuduレザーをつかった超軽量のMorflex(モルフレックス)・ホワイトラバーソール仕様での2足でご用意しました。

ともに靴本体の価格は同じ59,400円で、後者は有料のKuduレザーをつかっているため革のオプション料金5,500円がそれに上乗せされる計算です。

 

 

 

 

オーダーの仕方は、オリジナルモデルよりシンプルです。

いつも通り足型を計測させて頂いたのち、アッパーの革を自由に1種類お選び頂き、レザーソールの場合はブラウン・ナチュラル・ブラックの3色のいずれかから1色お選び頂き、あとは「ひも」の種類を決めて頂いて、これで終了です。

オリジナルモデルでは、たとえばアッパーのパーツ毎に革を切り替えられたり、ソールの色や表情は10種類以上から自由に選べたりしますが、SEシリーズではこのプロセスはありません。

もちろん、靴の構造や制作コストとの兼ね合いもありますが、それと同じくらい、森田さんの「オーダー方法もシンプルに分かりやすく」という、SEシリーズに即した考え方が大きいです。いろいろな意味で、今までよりご検討頂きやすいシリーズといえると思います。

 

 

 

★hold-on hiはインタレスト限定の人気定番靴です

 

hold-on hiは、2014年に誕生した当店インタレスト(+森田さんの工房)限定で販売している特別なモデルです。

インタレストをオープンして間もない頃、森田さんが「ショップのオリジナルモデルをつくりませんか?」と提案してくれて、デザイン面を私たちスタッフに一任してくれました。

そこで私たちはまったく迷うことなく、「靴作家が本格的なハンドソーン製法でつくる、デザインはこの上なくシンプルな機能的なワークブーツ」というコンセプトを発想し、それを森田さんに伝えてデザインに落とし込んでもらいました。

最も重視したのは、「自分たち自身が心から履きたいと感じる靴(=お客様に本気でオススメできる靴))」であること。

当時も今も大のワークブーツ党である私・店長Dですが、森田さんと出会うまではハンドソーン製法によるそれは所有しておらず(=多くがグッドイヤー製法の靴でした)、「ハンドソーンのワークブーツなんて、こんな贅沢あっていいの?!」と、想像するだけで震えるほど興奮したことを覚えています。

また当時のkokochi sun3は、今よりももっと「森田圭一」という作家性が前面に打ち出されていて、だからこそ私たちが徹底的に機能性・・・すなわち履き心地の良さ・脱着のしやすさ・悪天候での耐久性・お手入れや修理のしやすさ・・・などに特化し、デザイン性を抑えることで、対照的な存在感が出るとも考えました。

企画段階から考えるとおよそ10年間、hold-on hiは、ありがたいことに今もとても多くのお客様に履いて頂いています。この靴を今回、kokochi sun3のSEシリーズの第1段モデルとしてご案内できることに、大きな喜びと誇りを感じています。

 

 

 

 

SE corne: 39,600円(税込み、ソール裏ゴム貼り込み)

 

 

 

SE corneは、ブランドでは珍しいレディースサイズのみ(~25.0cmまで)の靴・corne(こるね)のSEバージョンで、価格はオリジナルの7万円に対して、こちらも驚異の3万円台(税抜きだと36,000円)を実現しています。

SE hold-on hiは製法(=底付けの方法)がオリジナルとは異なりますが(後述します)、こちらは製法もオリジナルと同じマッケイ製法なので、「いったい何がどう違うのか」「どうやって低価格化を実現したのか」という話になってくるのですが・・・

 

見た目でハッキリ分かるのは、ソールの「形状」(←構造ではなく形状)の違いです。

こちらの画像はオリジナルのソールで、ヒールはもちろんそれ以外についても側面にイレギュラーな凹凸が入っています。これはもちろん「革本来の表情」・・・であるわけがなく、作家自身の手作業による丁寧で緻密な仕事によるものです。

「このソールの側面がcorneの特徴的な部分の一つなのですが、とても多くの時間と労力を費やしているので、逆にこうでなくて良いのなら価格を下げられるということです。」森田さん)

 

 

 

一方、こちらの画像2枚が、新作靴「SE corne」のヒール&ソール側面の形状です。

森田さんの工房のお客様は、「価格云々は関係なく、こっちのきれいな方が好き」という方も多いそう。これは純粋お好みの問題なので、お好きなデザインをお選び頂けると考えて頂くと良いと思います。

 

 

 

★corneは細身でスッキリしたレディースシューズです

 

corneは、見た目がとてもシャープなレディースシューズです。

レディース靴の木型がつかわれているため、その他ほとんどの靴でつかわれるユニセックスの靴の木型と比べると横幅や足囲がとても小さく設計されています。

つま先に大きな「捨て寸」(≒指が届かない部分)があるのが特徴的で、先がツンと尖ったデザインがとても特徴的です。画像だけ見るとシンプルな靴に見えると思いますが、実際にご自身にフィットするサイズでこの靴を履いて頂くとかなり個性的で、多くのお客様はたいへん驚かれます。

また、他の靴にはないcorneならではのディテールとして、ヒールやソールの側面の特徴的な凹凸があります。この分は上記の通り、SEシリーズではスムースな仕上がりになっています。

靴作家によるマッケイ製法でつくらているため、華奢な見た目に反して十分に頑丈です。どのように履くかはオーナー様次第。ぜひ一度店頭でお試し下さいませ。

 

 

 

 


 

 

 

2, kokochi sun3の「SEシリーズ」とは?

 

 

 

今回からkokochi sun3のラインナップに、新たに「SE(エスイー)シリーズ」が加わります。

SEシリーズは、ひとことでいうなら、靴作家・森田圭一が制作するハンドメイド靴に「興味がある」という多くのお客様の、「欲しいけど高額で買えない」という声にお応えすべく、これまでよりご検討頂きやすく、お求め頂きやすい価格設定でご提供する靴たちです。

 

SEシリーズには、大きく以下の3つの特徴があります。

 

  • 既存の人気モデルをベースに、見た目はそのままに、オリジナルと比べて実質的に4~5割低い価格を設定
  • 製法や素材、工程、ディテール、あるいはオーダー方法まで、文字通り抜本的に見直すことでローコスト化を実現
  • 低価格化しても、ブランドが掲げる「何年も、何十年も」履けるハンドメイド革靴としての機能性は維持

 

(以上、本レポートの冒頭部分をそのまま引用しています。)

 

 

 

「SEシリーズリリースの原点は、価格10万円前後の、主に僕がハンドソーン製法でつくるモデル(zanpano, Brooklyn, The HIKE, hold-on hiなど)に対して、過去長い間『欲しいけど高価すぎて買えない』というお客様の声を多く頂いていたことです。」(森田さん)

 

靴作家によるハンドソーン製法によって生み出される靴は、構造的に現代でも最も堅牢なつくりの一つで、かつオールソール交換などのオーバーホール修理も可能と、ハードにつかわれる道具としての革靴が持ちうる最高水準の機能性を誇ります。

また、別の観点では、つくり手である靴作家の経験と技術の粋が注ぎ込まれる「作品」であるともいえます。

ただしそれは、作家自身の多大な時間と労力を要するため、高額になることは避けられません。たとえばハンドメイド靴に興味をお持ち頂いたばかりというお客様、また社会人になったばかりの若い世代の靴好きというお客様などにお求め頂くには、ハードルが高すぎるというケースがほとんどだと思います。

そうした方々のシンプルな「欲しい」に対する森田さんからの回答の一つが、このSEシリーズなのではないかと、私たちは考えています。

 

一方、SEシリーズの価格設定でも、その金額自体は十分に大金で「安い」というわけでは決してありません。森田さんも私たちも、まったく「安い」とは考えていません。この点については、森田さんの以下の話がとてもストレートでわかりやすいです。

「安さだけでいいなら、もっと、いくらでも安くできます。もっと安価な素材をつかって、ソールを糊(のり)でペタッと貼りつければそうなります。でもそれだと『何年も、何十年も』履ける靴には絶対にならないじゃないですか。SEの価格は、kokochi sun3として送り出せる革靴としての下限の設定なんです。」(森田さん)

 

SEシリーズでは、「価格」という要素について、オリジナルモデルよりもはるかに高い優先度に位置づけられています。

ただし、それは「安かろう悪かろう」を容認するというわけではなく、森田さんが「kokochi sun3の靴」として自信を持ってオーナー様に納品できる水準を満たしてこその話。お客様皆様におかれましては、ぜひ安心してご検討頂けましたらと思います。

 

 

こちら3枚の画像、左がオリジナルモデル、右がSEシリーズです。どちらがどちらなのか・・・教えてもらえるまで、まったく分かりませんよね。笑

 

 

 


 

 

3, hold-on hi、オリジナルとSEシリーズの構造上の違いについて

 

 

ここでは、hold-on hiを例に、オリジナルモデルとSEシリーズの構造的な(=製法上の)違いについて、特に重要な点に絞ってご紹介したいと思います。

 

 

 

以下、少しだけですが靴の製法(=底着けの方法など)についても触れますので、部分的に専門用語もつかっています。(文章がこれ以上長くなるのを避けるため、それぞれの用語の説明は省略しています。)

もし革靴にご興味をお持ちでしたら、この機会にマッケイ製法、ハンドソーン製法、グッドイヤー製法それぞれの基本的な構造を、知識として得て頂くのも良いかもしれません。逆に、それらを知ってさえいれば、革靴をそれまでの10倍楽しめるようになると思います。

ご参考までに、Googleで「グッドイヤー製法 ハンドソーン製法」、あるいは「グッドイヤー製法 マッケイ製法」などと調べると、それぞれの構造や長所・短所などを比較した有用なサイトがたくさん見つかります。

また、ブランドのオフィシャルYouTubeチャンネルで、最新シリーズ「何年も、何十年も」全4話をご覧頂くと、森田さん自身の解説付きで、ハンドソーン製法によるzanpanoの制作工程を映像でご覧頂けます。

 

 

 

 

さて、早速結論をお話ししてしまうと、今回のhold-on hi、オリジナルモデルがハンドソーン製法でつくられますが、SEシリーズではマッケイ製法でつくられます。

仮にzanpanoやBrooklynなど、同じくハンドソーン製法でつくられる靴たちがSEシリーズで登場する場合も、同様にマッケイ製法でのつくりとなります。そして、オリジナルとSEシリーズの価格差の最大の要因は、まさにこの点にあります。

 

 

こちらの画像は、SE hold-on hiのゴムを貼る前の底面です。マッケイ製法ではミッドソールからアウトソールの底面までミシンで一度に縫い合わせるため、この位置に糸が露出します。(ハンドソーン製法と比べると、幾分内側にかかっているので、分かる方は分かると思います。)

 

 

 

ところで、オリジナルモデルも含めてココチブランドの他の靴の底面では、いわゆる「伏せ縫い」という工程を経るため、納品されたときに底面を見ても縫い糸は露出していません。

(下掲画像、ハンドソーン製法におけるマシンによる出し縫い(→ここでは伏せ縫いの仕様)の工程の様子です。画像はブランドのオフィシャルYouTubeチャンネルよりスクリーンショットして転用)

ただ、これは森田さんから直接聞いたわけではありませんが、SEシリーズで伏せ縫いをしてしまうと、おそらく今回ご提案できる価格では収まらないのだろうと想像しています。

10万円の靴が5万円台の靴になり、かつそれが「修理しながらずっと履ける靴」であるためには、製法を変えるだけではなく、ありとあらゆる工夫が必要なのだろうと推察されます。上でご紹介した「SE corne」のヒール&ソール側面の凹凸をスムースにというのも、また同様です。

 

 

 

一方、底面の糸を露出させたまま履けば、当然その傷みも速く進みますので、それを避けるために、SEシリーズでは底面にゴム貼りがなされた状態で納品されます。

このゴム貼りは、本来2,750円(税込み)のオプション料金を別途頂くサービスですが、ただでさえ低価格化を実現しているSEシリーズにもかかわらず、これも本体料金に含まれます。「価格の前に、SEの場合、修理しながら長く履いて頂くためにはこのゴム貼りは(機能的に)必須です。」(森田さん)

要するに、よほどのことがない限り、底面とヒールのゴムの交換修理を適切に続けて頂ければ、「何年も、何十年も」履き続けることができます。そぎ落とす部分と加える部分、その両方のバランスでSEシリーズは成り立っています。

 

 

 

それからもう1点。

実はつい先日、kokochi sun3のハンドソーン製法のモデルを多くお持ちのお客様にご意見を伺った際、「実は既に持っているBrooklynを、デザインを変えてもう1足欲しいとずっと思っていて、でも同じ靴に10万はポンとは出しにくいとも感じていて、今聞いたこのSEシリーズでBrooklynが出るなら、そのとき買うのもいいかもと思いました」と仰っていていました。

 

 

 

これは私たちスタッフにとって「なるほど!」というまったく新しい観点で、何も「初めまして」のお客様に限らずとも、ブランドの顧客さまに対しても、場合によっては有意義なご提案をさせて頂けるかもしれないと感じました。

今後、皆様の「欲しかった2足目」のご希望にも添うことができるかもしれません。ぜひご期待頂けましたらと思います。(というより、ご希望があれば、ぜひ今回店頭で私たちスタッフにお気軽にご相談下さいませ。)

 

 

 

 


 

 

4, コラム: オリジナルとSEシリーズ、買うのはどちらがオススメ?

 

 

この項目については、エッセイのような内容になってしまうかもしれませんが、散々考えに考えた挙げ句、触れないのはどうしても不自然な気がしてしまい・・・汗。あくまで私たちインタレストの一意見であるとご理解の上、皆様のご参考にして頂けましたら幸いです。

 

まず、「オリジナルとSEシリーズ、買うのはどちらがオススメ?」という疑問は、より率直には「SE hold-on hiのリリース後、価格がその倍近いオリジナルのhold-on hiをオーダーする意味とは?」となるかと思います。

SE hold on-hiの、(1)見た目はオリジナルとほぼ一緒、(2)修理をしながら長く履ける点もほぼ一緒、(3)それでいて価格は約半額・・・といった特徴に鑑みると、当然の疑問だと思います。私たち自身、森田さんとも何度かこの話題で議論をしました。

 

 

実は、細かいことをいえば「ハンドソーン製法を選んだ方が”良さそうな”理由」はたくさんあります。靴づくりについては完全な素人である私たちスタッフですらいくつも思いつくのですから、靴作家である森田さんからすれば、たくさん挙げられるのではないかと思います。

ただ実際のところ、それらのほぼすべては、つくり手が誠実な仕事をしてくれてさえいれば知らなくても大丈夫で、日常づかいでは機能的にもまったく問題ない要素でもあります。そこに数万円の価値を見いだせるかどうかは、とても難しいところです。

(一つだけ例を挙げるなら、ハンドソーン製法の圧倒的なアドバンテージに見える「繰り返しオールソール交換ができる」という点。これについては、「そんなに何度もオールソール交換する?」と言われるとどうでしょう。履き方をきちんと管理できる方であれば、オールソール交換をする機会は一生訪れない可能性も十分あります。)

それなので、現時点で森田さんと私たちは、「機能面では、高額なオリジナルモデルを選ぶ意味はあまりないかもしれない」というイメージを共有しています。

もちろん、体重がとても重たかったり、1足の靴を平均的な履き方の数倍・数十倍で履きまくるという方は、ソール交換の頻度が高いかもしれなので、ハンドソーン製法の靴がオススメです。そうではなく、ソール裏のゴム貼りとゴムヒールの修理を続けられる方であれば、SEのマッケイ製法でも十分だと思います。

そもそもSEシリーズの出発点が、「kokochi sun3のハンドメイド靴を、より広く、多くの方にご検討&お求め頂きたい」という作家の想いですので、ほとんどのお客様にヒットするのがSEシリーズというのは、とても自然なことだとも感じます。

また上でも書いたように、「これまでオリジナルモデルを買ってきたけど、今回はSEシリーズで」というお客様がいらっしゃるのも、やはりとても自然なことです。長く履き続けるために十分な機能を確保しつつ、今までより低価格でお求め頂けるのは、純粋にとても嬉しいですよね。

 

 

では、なぜあえて高価なハンドソーン製法の靴を買うのか。

これは最終的には「浪漫」や「特別感」といった、観念的な要素になってくるのかもしれません。そしてそれは決してネタや冗談ではありません。

上の方でも書きましたが、ハンドソーン製法による革靴については、その最高水準の機能性に加えて、「つくり手である靴作家の経験と技術の粋が注ぎ込まれる『作品(→「アート」)』である」と思います。そこに強い浪漫や特別感を覚えるという方は、自然に「ハンドソーン一択」となるのではないでしょうか。

ハンドソーン製法の靴を長年履いていると、明らかに自分の足なりにミッドソールが沈んでいく感覚があります。冷静に考えると、新品時の堅い履き心地が「改善」していると言い換えられるのでしょうが、その現象を経験すると「靴が自分の足に沿って育っていく」と、ものすごく嬉しく感じるものです。

現に森田さんが自分の工房でヒアリングしても、「(SEシリーズがリリースされることを聞いて)それはいいね!でも自分はこれからもオリジナルを買うわ」と、迷わず仰るお客様が少なくなかったそうです。インタレストのお客様についても、きっと共感なさる方が少なくないはず。

そしてその「浪漫」「特別感」には、ハッキリ数万円の価値があります。なぜなら、その数万円は「ブランド価値」などふんわりした概念に支払うものではなく、たった一人のオーナー様のためだけに、目の前の一足と向き合う靴作家の真摯な仕事への正当な(=目に見える&数値化できる)仕事への対価だからです。

そもそも、いつもお話ししていますが、こうした「トキメキ」の類いは、私たちインタレストがショップコンセプトとして掲げる「洋服を楽しむ」ということのために、絶対に欠かせない要素です。「ハンドソーンの靴に憧れて」という購入理由は、愛しく得がたいものです。

 

 

いろいろ書きましたが、今回SEシリーズをオーダー下さるお客様が、その後いっそうハンドメイド革靴のことを好きになって下さって、「作家自身によるハンドソーンの靴が欲しい!」と思って下さるような未来があるなら、私たちにとってそれほど嬉しいことはありません。

なぜなら双方それぞれがそれぞれにとても魅力的ですので!

 

 

 

 


 

 

5, 「履き続けて育てる楽しみ」は、上質な革靴の普遍的かつ最高の快楽!

 

 

そして私たちが革靴を好きになり、それにのめり込むきっかけになる、その経年変化の楽しさに関しては、オリジナルもSEもまったく関係ありません。

 

革が、革靴が自分の足元で育っていく喜びは、他の何かには代えがたいものがあります。必ずしも定期的にクリームを入れて、ブラッシングして・・・というお手入れが必要ということではなく、上質な革靴であれば楽しく履き続けるだけでもドンドンその表情が豊かになっていきまます。

(たとえば、作業靴として雑に履かれた数十年物のヴィンテージワークブーツがシビれるほどカッコ良かったりしますよね。また、まったく同じ革靴でも、オーナー様個々人のお手入れの仕方によって別物のような顔つきに育つ点もたまらないです。)

ただしその経年変化を楽しむための絶対条件として、つかわれている革の品質が一定レベル以上であることと、何よりも「靴」という極めて大きな負荷のかかる道具にふさわしい誠実で強靱なつくりであること、この2点は欠かせません。

kokochi sun3のオリジナルモデルはもとより、今回リリースされるSEシリーズについても、この2つの条件はバッチリ満たしているということを、ここで改めてお伝えしたいと思います。

 

 

★9年物のhold-on hiのいま

 

さて、こちらの画像のカッコ良すぎる靴は、当店のあるお客様がお手持ちのなかでも特にご愛用下さっているという、オリジナルモデルhold-on hiの初号機(=森田さんが当店に納品してくれた最初の1足)です。お買い上げ下さったのは2014年6月ですので、実に9年物の姿です。

もともとブラウン単色で淡泊だった表情は、オーナー様の足を守り続けてきたことによるキズやシミ、あるいは革の「焼け」と「褪せ」両方による変色により、きわめて立体的な顔つきになっています。震えがくるほどカッコ良く育っています。

一方、たくさん履いて下さっているのでビブラム社の強固なラバーレザーもすり減って、実用面でも見た目でも履きづらさを感じるようになったとのことで、今回オールソール交換の修理を承りました。(工賃は靴の構造や底面の種類によってそれぞれですが、平均的に15,000円~20,000円くらいです。)

ソールを交換すれば、この先の10年だって楽勝でこなしてくれます。アッパーはワイルドかつ艶っぽく育っているので、ますます大活躍してくれそうです。このオールソール交換は、オリジナルのhold-on hiはもちろん、SE hold-on hiでも、もちろん承ることができます。

 

 

新品時の画像を見つけました。この靴自体もそうですが、写真の撮り方も含めて、何もかも懐かしい・・・笑。

 

 

★ハードに履かれてこそ輝く魅力

 

お客様のhold-on hiをもう1足ご覧頂きます。

こちらは実はもともと店長Dの私物としてオーダーして愛用していた靴なのですが、あるお客様の目に留まり、とても熱心にご所望になったので、お代を頂いてお譲りしたものです。結果的に、私がローテーションの中で履くよりも、ずっとずっと美しい「ワークブーツの顔」に育ってくれていて、最高に嬉しいです。

この靴のオーナー様は、クリームを入れたりブラッシングをしたりという、いわゆる革靴のメンテナンスはほぼしておられないと思います。また、キズや汚れ、あるいは型崩れなどについて、私たちがお直しで修復できるという状態でも、あえてそのまま履かれます。

「この状態がカッコイイんですよね。なんか変な考えかもしれないけど。笑」と、はにかみながらお話になるその姿が、いつも本当にカッコイイです。革靴にはこんな風な輝き方もあるんですよね。

 

 

こちらも、新品時の画像を見つけました。

本記事で幾度となくお話ししていますが、上のような状態になるまで履きまくれるためには、つくりが誠実で、素材が上質である必要があります。そのことがひと目でハッキリと分かる4枚の画像だと、いま見てもジーンときてしまいます。

 

 

いつ見ても新品のようにケアされるオーナー様もいらして、ほぼ何もせず「道具」としてありのままの姿を愛するオーナー様もいらして。私・店長Dはちょうどその真ん中くらいでしょうか。普段はブラッシングだけで、1年か2年に一度クリームを入れて、ものすごくゆっくりな経年変化を楽しんでいます。

ぜひ皆様それぞれ、思うがままに革靴を楽しんで頂けましたらと思います。多少雑に扱ったところで、上質な革靴はビクともしません。細かいことを気にする必要も一切ありません。見逃せないキズができたり、カビが生えたりしたら、インタレストにご相談頂けましたらと思います。

 

 

 

 


 

 

 

今回1/2(=前後半の前半)は以上です。

 

明日の2/2(=後半)の記事では、待望のMUKUの復活と、ココチブランド受注会の概要についてご紹介いたします。

イベントは来週末1月21日(土)~29日(日)で、森田さんの在店日は1月28日(土)・29日(日)です。ぜひご予定下さいませ!

 

 

 

 

 


 

 

 

★インタレストの現在の営業体制につきまして(2022年7月更新)

 

 

当店インタレストでは、コロナ禍のなかで効果的とされている基本的な対策を油断することなく継続していますし、またそもそも過去にいわゆる「密」の状態になったことはありません。

最も有効な対策の一つとされる「常時換気」も可能な立地で、その点でもご安心頂けます。

 

もちろん、多くのお客様に安心してご来店頂けますよう、基本的な感染予防は引き続き徹底しております。重要なご案内事項は以下の通りです。

 

  • 引き続き、店内では必ずマスクをご着用頂きますようお願いいたします。スタッフもマスクをしてお相手させて頂きます。こちらも引き続き、入店時、店頭で設置しているアルコールで手指の消毒をお願いいたします。
  • 営業時間は12:00~18:00を継続いたします。18:00~19:00につきましては事前にご来店予約をして下さったお客様をお待ちする時間とさせて頂きます。火曜及び第1・第3・第5水曜定休に変更ございません。
  • 基本的に、一度にご入店頂けるのは2組4名様までとさせて頂いております
  • なにぶん狭い店内なので、今後もご入店のタイミングをお待ち頂くなど、「密」を避けるためのお願いは随時させて頂きたく存じます。ご不便をおかけすることもあるかと存じますが、ご理解を賜りますようお願いいたします。

 

 

 

<お問い合わせ>

  • 各商品の詳しいご説明や多くの画像は、インタレストのオフィシャルオンラインストアにて掲載しております。各アイテムのページの「商品についてお問い合わせ」や、もしくはこちらの「問い合わせフォーム」よりぜひお気軽にご連絡下さいませ。折り返しご回答いたします。
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