こんにちは、インタレストです。
8月17日(土)に会期初日を迎える森田圭一さんによるハンドメイド靴「ココチブランド」(=カジュアルライン「kokochi sun3」+ドレスライン「kokochi sqir」)の受注会に向けて、今回を含めて全3回でご案内しているシリーズ「ココチupdate」。
本記事はその第1回目です。
8月の受注会では、それぞれが1つだけでも十分目玉になるようなメイントピックを3つご用意しております。本記事では、それら3つのメイントピック・・・すなわち(1)新企画”MUKU for Everyone”、(2)足数限定の新革Kuduレザー、(3)新作靴”marco-mid”のうち、(1)と(2)について詳細にご案内いたします。
★シリーズ「ココチupdate」~受注会(2019年8月)開催に向けて全3回
- 第1回:kokochi sun3の新企画”MUKU for Everyone”と足数限定の新革Kuduレザーのご紹介 >本記事です
- 第2回:MUKUの制作動画のご紹介と、新作靴「MUKU modified」&Kuduレザー新入荷のご案内 >こちらから
- 第3回:新作「marco-mid」&「marco」のご紹介とその新入荷のご案内 >こちらから
★kokochi sun3の新企画”MUKU for Everyone”が正式にアナウンス
ここ数ヶ月にココチブランドから断続的にニュースリリースがありましたが、それらはいくつか同時並行で走っている重要企画の進捗状況をお知らせするものなので、このほどそのうちの一つが完全に形になりました。
その新企画とは”MUKU for Everyone”です。この企画がきっかけになり導入されることになった、各色足数限定の新革Kudu(=「クーズー」「クードゥー」「クドゥ」などと呼びます)のリリースと同時に、今回正式にアナウンスされています。
本日のブログ記事では、本件について詳しくご紹介いたします。
以下でkokochi sun3の新企画”MUKU for Everyone”と、それに合わせて足数限定でリリースされる新革「Kudu」について現時点で決まっていることを、たくさんの画像とともにたっぷりお話しさせて頂きます。
ぜひこのままお読み進め下さいませ。
オリジナルのMUKUの唯一の弱点は、「足を選ぶこと」
kokochi sun3の大大大定番である「MUKU」。その圧倒的な便利さ(=スリッポンなので脱着が楽ちん)と履き心地の良さ(=鹿の一枚革が心地良い)、そして全ラインナップで屈指のお値頃感により大人気の靴ですが、その唯一といって良い弱点として「履く方の足を選ぶ靴である」という点があります。
甲高幅広の木型の形と「靴ひもがない」という構造により、このMUKUを本当に心地良く履くためには足に「幅」と「高さ」が求められるため、幅が狭かったり甲が低かったりいわゆる「華奢な足」であるという理由で、「予算を用意してきたのに形が合わなくて買えない」というお客様が少なからずいらっしゃいます。
何を隠そう、私・店長Dと当店スタッフYも100%その理由のみによって、これまでMUKUの私物をつくれていません。
こちらの画像、スタッフYが他のココチブランドの靴で履いているサイズである「24.0cm」のMUKUを履いたときの足元です。MUKUには靴ひもがないため甲部分がしっかりフィットしていなければいけませんが、ご覧の通り完全にガバガバで「かかと」も浮き放題です。日常づかいにはとても耐えられません。
しかもここで履いているMUKU、完全な新品です。MUKUは革がなじむと履き感がさらにワンサイズ分くらい大きくなるので、新品時でこれではかなりマズイ状態です。程度の差こそあれ、私・店長Dが自分のジャストサイズであるはずのMUKUを履いても似たような絵になります。
仮にお客様がご試着になって新品時でこの状態だったとすると、私たちは「オーダーしないこと」をオススメすることになります。実際にこれまでたくさんそういうことがあって、MUKUが欲しくてご来店になったお客様はとてもガッカリされますし、その度に私たちはお応えできずとても残念な想いをしてきました。
(実際に歩いたわけではなく、その場で浮かせただけなのですが、Yのかかとは指で差した部分にあります。)
“MUKU for Everyone”=「MUKUをあまねくすべてのお客様に」
この「MUKUのフィッティング問題」は普段多くのお客様をお相手する・・・つまり数百足の足型を拝見してきた私たちインタレストと、そしてもちろん作り手である森田さんとでここ数年共有していた問題意識でした。
そしてあるとき「甲低幅狭の木型を新しく起こして、今までMUKUを履きたくても履けなかった方にも履いて頂けるようにしよう」という企画が水面下で立ち上がり、それが形になったのが、まさに今回の”MUKU for Everyone”なのです。文字通り、「MUKUをあまねくすべてのお客様に」という意味です。
甲低幅狭の「モディファイド・ラスト」の完成
オリジナルの木型の修正は大小様々に行われ、森田さんは修正が入るたびに片足サンプルをつくり続けることになります。
こちらの画像、私たちが把握しているだけでも4回の片足サンプルがつくられています。(見えにくいですが、つま先にサンプルナンバーが入っています。一番右の「4」が完成版です。)
そうして完成した新しい木型は「モディファイド・ラスト」と名づけられました。日本語に直訳すると、「修正・改善された木型」という意味です。
ちなみにこちらの画像の右側がオリジナルの木型、左側がモディファイド・ラストです。上から見れば明らかに左側の幅が小さいですし(画像1枚目)、後ろから見れば明らかに左側のかかとが華奢です(画像2枚目)。
木型が違っても見た目の「MUKUらしさ」は変わりません
ところがとても興味深いことに、その両者それぞれをつかってつくられるMUKUの「見た目」はほとんど変わりません。こちらの画像、左側がオリジナルの木型をつかってつくられたMUKU、右側がモディファイド・ラストをつかってつくられたMUKUです。
つまり、履いたときの特徴のある「まあるい見た目」=「MUKUらしさ」はほとんど変わることなく、華奢な足でもしっかりとしたフィット感が得られるMUKUをつくることができるようになったのです。
そのことの背景には、MUKUという靴固有の独特なデザイン&構造があります。かなり専門的な話になってしまうのでここでは省略しますが、「わざわざこうした」というわけではなく「構造上こうなる」ということなので、なんとも運命的なものを感じます。まったく履き感の異なる2足なのですが、見た目は変わらないという、結果だけ見ると魔法のような現象ですよね。
そしてこのモディファイド・ラストの完成により、MUKUをおつくり頂けるサイズは実質的に倍増することになります。(たとえば、24.0cmというサイズは「オリジナルの24.0cm」と「モディファイド・ラストの24.0cm」の2種類が存在することになります。)
また後日お話しする機会があると思いますが、ということは、同じ木型でつくられるサーカス(画像1枚目やDjango(画像2枚目)などについてもそうだということです。これらの靴がモディファイド・ラストをつかってつくられると、MUKUとは違ってその見た目もオリジナルとは大きく違ってきます。
「ココチブランドでできること」は、モディファイド・ラストの完成によりさらに大きな広がりを見せることになります。
なお、このモディファイド・ラストを起こすために、相対的に華奢な足をお持ちの複数名のインタレストのお客様にそれぞれ複数回のサンプルのご試着をお願いすることになりました。この場を借りまして、ご協力下さったお客様皆様に心より御礼申し上げます。
MUKUのオーダーの仕組みは何も変わりません
さて今後のMUKUのオーダーの仕組みですが、これまでと一切変わりません。この”MUKU for Everyone”は、シンプルにお客様にとっての利便性・柔軟性が高まる企画です。特別な知識や用意は一切必要ありません。その点はどうぞご安心下さいませ。
お客様の足型を取らせて頂ければ、ほとんどのケースで私たちスタッフが拝見するだけでどちらの木型をつかうべきか判断できますし、それが難しい場合でも森田さんと相談した上で適切に判断させて頂きます。つまり、お客様の側に特別なこだわりがない限り、すべてスタッフにおまかせ頂いて大丈夫です。
また、これは当然のことながら、店頭にはオリジナルのMUKUのサンプルと、今回新しく起こしたモディファイド・ラストによってつくられたMUKUのサンプルとが両方並びますので、お客様はその両者を履き比べて頂くことができます。(こちらの画像の5足はすべてモディファイド・ラストによってつくられたMUKUです。)
★各色足数限定の新革「Kudu」がリリースされます
今回の”MUKU for Everyone”と同じタイミングで、各色足数限定の新革「Kudu」7色がリリースされます。
Kuduというのは日本語だと「クーズー」「クードゥー」「クドゥ」などと呼ばれますが、見た目はヤギに似たウシ科の動物です。
Kuduレザーは、私のような革好きからするとまずは「裏革(=スエード)がとてもきれいな革」という印象があります。
染料との相性が良いのかとても発色が鮮やかで美しく、なでるとベロア生地のようにつややかな光沢が上がったりもします。やわらかく柔軟性にも優れており、まさにMUKUのような一枚革靴にピッタリであるといえます。さらに起毛皮革なので、防水スプレーを用いれば雨の日も安心して履いて頂けます。
画像では伝わりにくいのですが、本当に美しい表情です。発色が良い素材なので、このようにブルーやグリーンなど原色系の色もとても得意です。
そしてその一方で、実は「Kuduは表革こそ魅力的」という方も同じくらいいらっしゃると思います。
銀面(=表革の表皮)を残した状態だと、俗に「トラ」と呼ばれる強いシワやアタリが革全体に縦横無尽に走っていて、もちろんタンニング(=「なめし」の工程)の仕方にもよりますがシボ感も強いことが多く、流麗で上品な裏革とはまさに対照的で野性的な印象です。いかにもzanpanoやTramp-hi、hold-on hiのようなワークブーツとの相性が良さそうです。
要するにKuduレザーは表革も裏革もつかえる、しかもそれぞれ互いにまったく別の表情でつかえる、さらに強度や柔軟性もバッチリという万能レザーであるといえます。
全7色それぞれ一定足数分オーダーが入った時点でお取り扱い終了となります。気になるというお客様はぜひ今からチェックをお願いいたします。
表革は独特なシボ感と色ムラがあり、引っ張ると(=釣り込んだりすると)色味が変化したりして、きわめて豊かな表情ですが・・・
裏革は均一で色鮮やかな、実に美しいスエード。これがKuduレザーの大きな特徴です。
森田さん、新しい木型「モディファイド・ラスト」によってつくられたMUKUのサンプルを、ちょうどこの色の表・裏両方で用意してくれています。これはとても分かりやいと思います。
こちらが表情豊かな表革バージョンで・・・
こちらが素晴らしく美しい裏革バージョンです。これはどちらをつかうのか迷ってしまいそうですね。汗
KuduレザーはMUKUでもおつかい頂けます
これまでMUKUは、求められる厚みや柔軟性をクリアしている鹿革でしかおつくりすることができませんでしたが、真上でご覧頂いたように、このKuduレザーはおつかい頂けます。
実はKuduレザーの導入は、森田さんとの打ち合わせで「MUKUをメインに据えた企画なのに鹿革しかつかえないというのも寂しいかもですね」という話になったことが、そのきっかけとなりました。
そして即座に動いてタンナーを回った森田さんが見つけ出したKuduレザーたちは「これってやっぱり表革もカッコ良いよね!」という素晴らしい表情で、森田さんの中で「MUKUだけでなく他のこのモデルやあのモデルでも・・・」というインスピレーションがあったそうです。間もなくリリースされるであろう新作靴のデザインにも影響しているかもしれませんね。
上でも一度ご案内しましたが、今回モディファイド・ラストをつかってつくられた5足の・・・その名も”MUKU modified”たちは、すべてこのKuduレザーでつくられています。お客様皆様にこのサンプルたちをご覧頂くのが今からとても楽しみです。
そしてこれらの”MUKU modified”たちについては、森田さん自身が語るココチブランドのオフィシャルブログでも詳しく紹介されています。ぜひ以下のリンク先からご一読下さいませ。
●ココチブランド・オフィシャルブログ:「KUDUレザーを使用した、モデファイド・ラストのMUKU」 >こちらから
本日ご紹介した”MUKU modified”と新革Kuduレザーについては、8月の開催を予定している次回の受注販売会にてオーダー受付開始となる予定です・・・が、事前の評判がとても良いので様々な可能性について森田さんと話をして詰めているところです。
というわけで、本件も含めてココチブランド関連のニュースリリースがこれからも続きます。まずはInstagramにて逐次速報いたしますので、ぜひ引き続きチェックをお願いいたします。
本日は以上です。
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