こんにちは、インタレスト(本日はスタッフY)です。

本日は、昨年末に承りました「お客さま私物の藍染め」の一部である10点のアイテムを、以下4つのテーマに分けてご紹介いたします。

  1.  長年の着用により傷みの出てきた白い洋服の染め直し
  2.  色柄物も綺麗に染まりました
  3.  こんな小物も染められます
  4.  襦袢(=着物用の下着)が主役に変身。松煙染め&スペシャルな絞り染め

 


 

普段は、当店インタレストでお買い上げ下さったお洋服に限りまして、ご購入後の藍染め(壺草苑)や草木染め(MAITO)のご依頼を承っております。

そして、今週末から9日間開催する壺草苑販売会の会期中限定で、お客様の私物の洋服や小物につきましても、壺草苑による藍染めのご依頼を承ります。

本企画の詳細(=趣旨、基本的な流れ、事前にご確認頂きたいことなど)は、以下の記事をご一読下さいませ。

 

そして、壺草苑販売会(5月11日~19日)の詳細はこちらよりご覧頂けます。ぜひこの機会にご利用下さいませ。

 

それでは、10点のアイテムを多くの画像とともにご紹介いたします。


 

1, 長年の着用により傷みの出てきた白い洋服の染め直し

このテーマは、最も染めのオーダーを頂くことが多いケースです。白いアイテムは、長年着用するといつか必ず黄ばみが生じて、傷みも目立ちやすいです。けれど、藍染めをすることで美しく生まれ変わりまして、また新たなアイテムとして着て頂くことができます。

麻のロングシャツ×淡藍染め

こちらは麻のロングシャツです。淡めの藍染めでというオーダーを頂きました。AFTERではきれいな色が入りまして、光沢も出て、ちょっとしたドレスのような雰囲気に仕上がりました。

BEFORE

AFTER

生地は天然繊維でも、その縫い糸はポリエステルやナイロンなど丈夫な化学繊維がつかわれていることが多いです。その場合は以下のように、縫い糸は白く残ります。でもこれもデザイン上のワンポイントになって良いですねと仰って頂くことも増えています。

 

ノースリーブワンピース×濃まだら染め

こちらは、長年の着用により内側の生地が破れたりして、だいぶ傷みの出ていたワンピースでした。染めた後は濃まだら染めが見事に映えて、素晴らしい一点物のワンピースとなりました。

BEFORE

AFTER

元の生地が生成りなので、藍染めの色も濃いめに出ているように思います。また、生地の傷みもまったく目立たなくなりました。

 


 

2, 色柄物も綺麗に染まりました

今回は、すでにしっかりと色が入っているアイテムの染めも複数点承りました。どんな色に染まるのかなと思っていたところ、しっかりと藍染めの色が入りましたので、以下ご紹介いたします。

イエローのメンズシャツ×濃濃藍染め

こちらも長年の着用により若干の傷みが出ていたシャツでした。地の色がイエローですので、壺草苑には濃い藍染めでとお願いしたところ、地の色がまったくわからないほどの濃濃藍に染まりました。

BEFORE

AFTER

生地の傷みも藍染めでコーティングされて、丈夫になっていると思います。ボタンもどうやら青く染まっているようで、完全に生まれ変わりました。すごいですね。

 

カーキ色のメンズコットンパンツ×濃藍染め

こちらは日焼けなどにより部分的に退色したコットンのパンツです。オーナー様からは、「退色で色むらが出て少し着づらくなってしまったので・・・。」とご相談を頂きました。生地も肉厚で、職人が染めるのは大変だったことと思います。

仕上がりは、元のカーキ色の上に濃藍染めの色が乗って、色むらが完全に消えたのはもちろん、何色とも表現しがたい深みとニュアンスのある、格好良い濃色のパンツになりました。

BEFORE

AFTER

カーキ×濃藍染め。緑がかったブルーのような、奥行きのある色味です。ここから着て洗ってを長年繰り返すと、さらに色が変化して唯一無二のエイジングを見せてくれることと思います。生地が頑丈なので、それも楽しみですね。

 

ピンク色のウールのストール×濃まだら染め

あざやかなピンク色のストールも染めさせて頂きました。「何十年も前のものなんですが、何となくつかいづらくなってしまって、長年しまってあったんです。」とオーナー様からご相談を頂きました。

ピンク色の染め直しは初めてのことだったので、どうなるんだろうと思っていましたが、元の色は跡形もなくなり、美しい濃まだら染めの色がしっかりと入ったので驚きました。

BEFORE

AFTER

画像では微妙なニュアンスまでお伝えすることは難しいのですが、壺草苑のオリジナルの濃まだら染めに、心持ち赤みがさしたような印象でした。動物繊維であるウールも、壺草苑では本当にきれいに染まります。美しい藍染めのストールに生まれ変わりまして、処分される前にご相談を頂けて本当によかったと思いました。

 

板締めのメンズプルオーバー×濃濃藍染め

こちらは肩部分に板締めの見事な柄が入った、壺草苑のメンズのプルオーバーです。「たくさん洗って色があせてきたので、染め重ねできますか?」というご相談を頂きました。元の色は濃濃藍だったことと思いますので、ここまで色あせするほど着て頂けて、とてもうれしく感じました。

そして、濃濃藍染めを重ねたところ、こちらもものすごく格好良い仕上がりに。肩部分に板締めの柄がほんのり浮き上がるようなデザインです。

BEFORE

AFTER

染める前の状態も味がありますが、染めた後のこの濃濃藍の色。染め重ねによって、プルオーバー全体がとても濃い色に仕上がっていて、格好良いです。

 


 

3, こんな小物も染められます

今回、タオルハンカチやレースのストールといった、私たちが初めて見るようなアイテムも染めさせて頂きました。

タオルハンカチ×中藍染め&濃藍染め

こちらは夏にタオルハンカチが欠かせないというオーナー様からのご相談でした。「藍染めのハンカチは売っているけれど、藍染めのタオルハンカチって売ってないのよね。」と言われて、私自身も夏はタオルハンカチばかりつかっているので、なるほどと思いました。

画像1枚目がBEFORE、2枚目がAFTER

以下の画像2枚目の、手前2枚が中藍染め、奥2枚が濃藍染めです。工房では、この微妙な染め分けもしてくれました。

実はこの染めの濃さ、オーナー様が普段お召しの壺草苑の洋服に合わせているんです。洋服とハンカチを同じ色でコーディネートするのは、とてもお洒落で粋だと思います。壺草苑だからこそできる特注ですよね。

 

レースのストール×濃濃藍染め

こちらは大判のレースのストールです。レースは布帛に比べると繊細なので、「染めの作業中に切れたりほつれたりするかもしれませんがよろしいでしょうか。」とオーナー様にご確認を頂いてから染めてもらいました。仕上がってみると特に問題もなく、見事に染まり上がりました。

BEFORE

AFTER

ざっと見た限りでは、特にレースの傷みなどはなさそうでした。むしろ、藍の染液で繊維がコーティングされて、丈夫になっていることと思います。素晴らしい仕上がりです。

 


 

4, 襦袢(=着物用の下着)が主役に変身。松煙染め&スペシャルな絞り染め

今回、2点の襦袢の染めも承りました。着物を着るときに下着として用いられるのが襦袢ですが、2点とも、これ一枚でスタイリングの主役となる素晴らしい仕上がりとなりました。

長襦袢×松煙染め

こちらはメンズの長襦袢です。「松煙染め」とは松を燃やした「すす」をつかって染める技法で、藍染めよりも黒く、でも漆黒ではない深みのある良い色が出ます。私物の藍染めの企画では松煙染めも承っておりまして、当店では男性・女性を問わず人気があります。

今回は生地面積がとても大きいので、色むらができる可能性が高いということを事前にオーナー様にご理解頂いた上で、染めさせて頂きました。染め上がった長襦袢は深みのあるとても良い色に仕上がりました。

BEFORE

AFTER

元の生地との相性も良さそうで、ナチュラルな光沢があがっています。この松煙染めは、私たちスタッフも含めて、藍染めのアイテムを何点かお持ち下さっている方の心に響くことが多いです。

オーナー様に着て頂きました。もはや「着物の下着」ではなく、これを一番上に着てご活用頂けることと思います。素晴らしい仕上がりです。

 

半襦袢×中藍染め&松煙の絞り染め

最後は、こちらも着物の下着である半襦袢です。この半襦袢を、「藍染め+松煙染めの重ね染め」をして、なおかつ背中には「絞り染めの柄を入れる」という、工房でもまったく初めてとなる挑戦的なオーダーを頂きました。

「藍染め+松煙染めの重ね染め」も、以下でご覧頂けるような良い色が出ますので、インタレストでは人気があります。ただ、それに絞り染めの柄を入れるというのは初の試みです。

空気に触れることで色が出るという松煙染めの性質から、松煙染めで絞り染めをすると色むらができて、きれいに染まらないのでは・・・と工房の職人は心配していました。オーナー様は、「むしろそうした色むらが楽しみです。」と仰って下さったので、こうして実現いたしました。仕上がりは、見たことのない格好良い柄が入って、私たちもとても驚きました。

BEFORE
 

AFTER

壺草苑の新たな挑戦をこうして目の当たりにすることができて、オーナー様とともにうれしく感じています。

芸術作品のような仕上がりですね。とはいえ元は着物の下着で、実質的にはコットンのプルオーバーですので、Tシャツのように夏場にがんがん着て頂けましたら幸いです。

 


 

私物の藍染め企画の詳細につきまして

本企画の詳細(=趣旨、基本的な流れ、事前にご確認頂きたいことなど)は、以下の記事をご一読下さいませ。

 

今週末から9日間、壺草苑販売会の会期中に私物の藍染めを承ります。その場でご希望などをヒアリングしてお見積いたしますので、ぜひお気軽に店頭へお持ち頂くか、お問い合わせ下さいませ。

 


 

本日は以上です。

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