昨日タイムマシーンに乗ったので、今日は日本の音楽が最高に輝いていた昭和の時代にタイムスリップです。


私が小学校のときに、実家に初めてCDプレーヤーがやってきました。両親がお世話になっている親戚筋の方から譲り受けたもので、まだCDプレーヤーがそこまで普及していなかった時期に手に入ったのは、いま振り返ってみると本当に好運でした。小さな頃から大好きだった音楽が、ますます身近な存在になったのです。

一方、CDプレーヤーはやってきましたがCDがない・・・ということで、これも当時ずいぶんはやっていた10~15枚1セットで販売されていた「歌謡曲CD集」のようなものを両親が自分たちが聴くように購入したというイベントがありました。

最初は両親もレコードとの圧倒的な音質の違いに驚いていたのですが、彼らに「音楽を聴く」といく習慣が特になかったため(笑)、そのCD集をレコードでいうところの「すり切れるほど」聴いたのは、何を隠そう当時小学生だった私でした。このエピソードをつい先日両親相手に話したところ、二人ともポカーンとして「まったく覚えていない」「そんなの買ったっけ?」というので、「今でも歌詞を暗記しているほど好きな歌謡曲たちはすべてそのときに聴いたものだよ」と話すと「へえ~」で会話終了。


あまりに悔しいので(笑)、本日は私が厳選に厳選を重ねた昭和歌謡の名曲集をお届けいたします。私と同世代か上の方であればきっと時間を忘れて楽しんで頂けると思いますし、私より下の世代の方には日本の「歌謡曲」というジャンルがいかに尊いものかを知って頂けるかもしれません。

あまり知られていないことですが、日本固有の音楽ジャンルである演歌もJ-POPも、その起源は歌謡曲です。歌謡曲はわかりやすく世界中の音楽から影響を受けて、それらの「いいとこ取り&ごった煮」により日本風にアレンジされた、日本が世界に誇れるすぐれてユニークな音楽たちの塊です。

また、「作詞家」「作曲家」「編曲家」「歌い手」などが別々に独立していたのも歌謡曲時代の重要な特徴です。作詞家である阿久悠さんや松本隆さん、作曲家である筒美京平さんや三木たかしさんなど、日本の音楽史に名を残す「名人」(→ヒットメーカー)が存在していました。あとになって噛みしめたくなる歌詞や一度耳にしたら二度と離れないメロディなどが量産されたという、振り返ってみればこれ以上なくぜいたくな時代でした。

当時は歌手=「歌う専門」というのも多かったので、活躍された歌謡曲の歌い手の皆さんは(一部の映像では60代・70代であるのにもかかわらず)皆さんとんでもない歌唱力をお持ちです。「歌」を構成する歌詞・曲・サウンドアレンジ・歌手それぞれのキャラが立った名曲の数々を、ぜひご賞味頂けましたらと思います。

それからもう1点、「歌謡曲」という痛快なくらい定義が曖昧な、その意味ではとても日本的な音楽のジャンルですので、演歌やJ-POPなどとの境界線上にあるかもな~という曲も少なくありません。そういう楽しみ方もして頂けたら嬉しいですね。


実際かなりの時間をかけて「厳選」したのですが、結果的には以下、たくさんの曲をご紹介させて頂きます。選曲のプロセスで、歌謡曲をそのオリジンとしつつもその後J-POPへと昇華していったミュージシャンの方は原則除外とさせて頂きました。純粋に、「きりがないから」というのがその理由です。

ちなみにアップした動画について、当然のごとくそのほとんどがオフィシャルではありませんので、半年後には半分くらいが見られなくなっていても不思議ではありません。ぜひ今のうちにお楽しみ下さいませ。

それから、「この人から1曲でこれ?!」ということもあるかもしれませんし、「え?なんであの人のあの歌がないの??」というのもあるかもしれませんが、それは絞り込む過程でライターの好みが優先されたということで(笑)、どうぞあしからずご理解下さいませ。歌謡曲万歳!

 

 

布施明 – 君は薔薇より美しい

「ミスター歌謡曲」、布施明さん。年末の紅白歌合戦でこの歌を聴くのが毎年本当に楽しみだったのですが、ご本人の意志で紅白を「卒業」されたとき・・・もちろんそれだけが理由というわけではありませんが、私も紅白視聴を卒業したのでした・・・。そういえば先日、NHKの「うたコン」(火曜19:30)でモーニング娘。18をバックダンサーに従えてこの曲を歌っておられた姿にシビれまくりました。孫世代の女の子たちの真ん中に立って誰よりも輝きながら、御年71歳で原曲のキーのまま「変わった~!」ですよ。もうホント好き。大好きこの曲。愛してる。笑

布施明 君は薔薇より美しい

 

 

この調子で全33曲(←笑)ご紹介いたします!ぜひ以下引き続きお楽しみ下さいませ!

 

 

尾崎紀世彦 – また逢う日まで

そして私にとり「The 歌謡曲」といえば、この阿久悠作詞・筒美京平作曲という昭和歌謡最強といえるソングライターコンビによって生まれ、そして尾崎紀世彦さんの歌手人生を通して歌われ続けたこの曲です。心をわしづかみにされる「つかみ」のイントロから、歌い始め~終わりまですべてがサビというような神がかった傑作です。少年時代に、まあ見る番組見る番組でこの曲が歌われていて・・・要するに必ず視聴者からのリクエストがあって、「飽きないのかな」と不思議に思っていたのですが、大人になると、そう、まったく飽きない!それどころか節目節目でモーレツに聴きたくなるんですよね・・・。お亡くなりになる直前まで、歌唱力の衰えを一切感じさせなかった尾崎紀世彦さん。「歌手」の鑑たる生き様だと感服いたします。

また逢う日まで【2008】

 

 

加山雄三 – 海 その愛

加山雄三さんはヒット曲だらけで、かつキャッチーで知っている曲ばかりで、どうにもこうにも選べなかったので、私自身が一番好きなこの曲をピックアップしました。海をモチーフにした名曲を数々生み出されている加山さんですが、この曲の壮大でドラマチックかつ雄々しく勇ましいさまにとても憧れます。昨日ご紹介したヒップホップミュージシャンPUNPEEによって「お嫁においで」がリミックスされるなど、ここ数年でその実績が改めて脚光を浴びているように感じます。

加山雄三  『海 その愛』

 

 

沢田研二 – 勝手にしやがれ

昭和歌謡シーンで最大最強の「スター」といえば、やはり沢田研二さんではないかと思います。その中世的で圧倒的な美貌はDavid Bowieを連想させ、耳に突き刺さる尖った声質は身震いするほどにセクシーで、たった一人で大きな会場のすべての人の目と耳を完全に支配してしまう強烈な存在感があります。私自身は「アイドル」の時代を経験していますが、そのときも含めてもうこんな「スター」は現れないのではないかと今も感じます。現在も昔も様々な騒動を引き起こしては話題になっていますが(笑)、もうそれを見るだけでも「スターだなあ」と震えちゃうんですよね。

勝手にしやがれ 沢田研二

 

 

久保田早紀 – 異邦人

私が少年時代に昭和歌謡にハマったきっかけになった曲です。ちょっともう度肝を抜かれたというか、およそ日本のそれからはかけ離れたエスニックなメロディは一度聴いただけで絶対に忘れられないですし、サビの転調でガラッと雰囲気が変わって「ええ?!」とひっくり返ってしまい、そしてそれが若くてキュートな、そしてとても歌の上手な歌い手さん自身の作詞・作曲であるという・・・。時代時代で本当に多くの人にカバーされていますが、初めてオリジナルを聴いたときの感動と衝撃が圧倒的ですね。そしてこの曲の尊き「ごった煮」こそが、昭和歌謡の真骨頂といえるものではないでしょうか。

久保田早紀 – 異邦人 – 1979

 

 

テレサ・テン – 時の流れに身をまかせ

台湾出身ながら日本はもちろん、政治的には微妙な関係が続く中国本国でも広く愛されるまさに「アジアの歌姫」、テレサ・テンさん。こうしてその代表曲を改めて聴いてみると、ウットリさせられる圧巻の歌唱力とともに、日本の歌謡曲を完璧に歌いこなす節回しに感服させられます。早くに亡くなったはず・・・と調べてみたところ、なんと享年42歳・・・。大切に聴き続けていきたいですね。

テレサ・テン ~ 時の流れに身をまかせ~

 

 

高橋真梨子 – ジョニィへの伝言

冒頭お話しした歌謡曲CD集には、高橋真梨子さんの歌が(グループ時代も含めて)本当にたくさん収録されていました。それなので、私にとって「Ms 歌謡曲」はこの方という印象がとても強いです。個人的にはセクシーでカッコイイ「桃色吐息」が一番好きなのですが、この動画を観て当時よりよりずっとこの曲にグッときてしまったので今回はこちらを。このオーケストレーションアレンジは抜群ですね。包み込まれるようなやさしさが、この曲の凜とした美しさにピッタリです。

高橋真梨子【ジョニィへの伝言】

 

 

あみん – 待つわ

「日本の有名女性デュオといえば?」と聞かれると、「ザ・ピーナッツ?あみん?」と答えてしまう私。こちらは再結成後の映像で、YouTubeのコメント欄にもある通り、私もニコニコの岡村孝子さんにビックリさせられました。以前は顔色一つ変えずに「ま~つ~わ」の画しか見たことがなかったので。

あみん 待つわ【HD】

 

 

太田裕美 – 木綿のハンカチーフ

個人的に、昭和歌謡で一番好きなアイドルソングがこの曲なんです。「えっと、どんな歌だっけ?」とド忘れしても、「『恋人よ、僕は旅立つ』から始まる・・・」と応じると「ああっあの曲!」となるという意味で、際だって歌詞とメロディが立っている曲だと思います。・・・それにしても、太田裕美さん、この映像の時点で還暦を迎えていらっしゃると思うのですが、かわいらしすぎませんか・・・。テレビでずっとこの曲を歌い続けていらっしゃいますし、本当にステキな年齢の重ね方をなさっていますよね。

木綿のハンカチーフ 太田裕美

 

 

荒井由実 – 中央フリーウェイ

ユーミンさんは・・・誤解を招きかねない表現なのですが、私からすると昭和歌謡の「怪物」です。フォークから始まって様々な歌謡曲の名曲を生み出し、そしてそののち初期J-POPの礎を築いたそのあふれんばかりの才能は、日本歌謡史の宝の一つだと思います。上で書いた通り、基本的に「J-POP化」に成功されたミュージシャンは取り上げないコラムなのですが、ユーミンさんは歌謡曲にも名曲が多すぎるので避けて通れません。私がダントツ一番好きなのがこの曲で、少年時代の長野旅行への道すがら(=中央高速を走りながら)、車内のカセットで聴いたこの曲の心地よさが忘れられません。(かけてくれた父親は忘れているんだろうな~笑)

ユーミン 荒井由実 中央フリーウェイ

 

 

八神純子 – みずいろの雨

こちらはもう聴いてみて下さい(笑)。出だしから「いったいどこから声が出ているの」と感じられるのではないかと。少年時代にCDで初めて聴いたときのインパクトが強烈で忘れられず、今回のこの企画でも「絶対にラインナップしたい!」と真っ先に探した1曲です。それにしても、昭和歌謡の歌い手さんたちはどなたもこなたも、どうして還暦周りの年齢で原キーのまま歌いこなせてしまうのでしょうか。そこには、私たちが学ぶべきことがたくさん隠されているように感じられます。スゴすぎる・・・カッコ良すぎる・・・。

みずいろの雨/八神純子

 

 

大橋純子 – シルエット・ロマンス

来生えつこ作詞・来生たかお作曲(姉弟)のゴールデンコンビによって生み出されたマイナーコードの切ない雰囲気の歌たちは、昭和歌謡全体の重要なアクセントで、この曲については大橋純子さんの卓越した歌唱力もあり、まさに胸に突き刺さるような美しさを備えた名曲です。真上の「みずいろの雨」と同様、歌手名も曲名も少年時代から一度も忘れたことのない1曲です。

シルエット・ロマンス 大橋純子

 

 

五輪真弓 – 恋人よ

もう1曲、マイナーコードの傑作バラードを。この曲を聴くときは、荘厳なイントロから独特の緊張感が走ります。あまりの雰囲気のありように、このあといなくなってしまうのではないかと思うほど。ご自身で作詞・作曲をなさる五輪真弓さんですが、歌唱力も超一流。母親が「この歌だけは他の誰が歌ってもダメね」と言っていつも感心していたことが思い出されます。

恋人よ 五輪真弓

 

 

稲垣潤一 – ドラマティック・レイン

この曲はですね、私が生まれて初めて空で丸ごと歌えるようになった1曲なんです。CDで聴いたときにとにかく無茶苦茶カッコ良く感じて、毎日毎日何度も何度も歌詞カードを見ながら聴いていたら、いつの間にか歌えるようになっていました。独特な「稲垣節」で歌うことはできませんが、今もカラオケとかで節に力を込めて歌えたりするかも(笑)。稲垣潤一さんもずっと活躍しておられて、で、やっぱりまったく若い頃と歌声が変わらずでステキすぎます。しかしカッコイイな~この曲。作曲は稀代のヒットメーカーである筒美京平さん。このコラムで「筒美京平率」が高いのは「どおり」というもので、ぜひこちらをご参照頂けましたらば

ABD823 ドラマティック・レイン③ 稲垣潤一 (1982)181213 vL FC HD

 

 

寺尾聰 – ルビーの指輪

いや~さすがにこのエピソードは私の両親も覚えていると思うのですが、当時私の家のそばにトラックで移動する八百屋さんが週一くらいでやってきていて、その八百屋さんが「着いたよ~」のお知らせでこの曲を大音量で流していたんですよ。いまの時代だと権利だの騒音だのでいろいろ面倒なことがありそうですが、当時独特のおおらかさで、各家のお母さんたちは皆この曲が流れてきたら「ルビーの八百屋さん来たね」という具合でそろそろと野菜を買いに行くという。昭和歌謡は生活に密接していたのです!・・・って、最強にどうでも良いですか、このエピソード(笑)。でも、私の中では大切な思い出なんですよね。

ルビーの指环 寺尾聰AKIRA TERAO第58回NHK紅白歌合戦

 

 

渡辺真知子 – かもめが翔んだ日

冒頭でいきなり「うわっ!」と気圧されるものすごい声量と圧倒的な歌唱力。エスニックでキャッチーなメロディラインと「別れ」モチーフのメタファー。昭和歌謡の昭和歌謡たる要素がすべて堪能できる、まさに「聴き惚れる」という表現がふさわしい1曲&ステージだと思います。個人的に、サビの「かもめが翔んだ かもめが翔んだ あなたは一人で生きられるのね」というフレーズの連なりに、「日本語ってなんて美しいんだろう」と深い感動を覚えます。

かもめが翔んだ日 渡辺真知子

 

 

岩崎宏美 – 聖母たちのララバイ

「昔のアイドルは歌がうまかったんだぜ!たとえば・・・」という文脈で、必ずその名が上がるお一人ですよね。岩崎宏美さんにもたくさんのヒット曲があり迷いましたが、ここは初志貫徹で一番好きなこちらの曲を。なぜ好きか。「果てしない母性を感じるから」。この美貌とこの歌唱力で「甘えていいのよ」と言われればコロッといってしまうのも無理もない・・・って、あ、そうか、「私が男だから」が正解の答えでしたか。笑

聖母たちのララバイ 岩崎 宏美

 

 

和田アキ子 – あの鐘を鳴らすのはあなた

いつも思うのですが、和田アキ子さんて歌を歌っているときがダントツ一番楽しそうで。まったく顔つきが違うというか、本当に幸せそうな顔をされているなと感じます。実は昭和歌謡を語る上では欠かすことのできない「歌手」である和田アキ子さんですが、その中でもこの一曲といえばこちらをピックアップしたいです。シンプルでまっすぐな阿久悠さんによる歌詞の魅力を、最もわかりやすく味わうことのできる曲でもあると思います。

和田アキ子 / あの鐘を鳴らすのはあなた

 

 

サーカス – Mr. サマータイム

これは主にアメリカの影響で男女混合のコーラスグループがはやったのも、昭和歌謡の一つの特徴的な姿でした。ハイ・ファイ・セットかこちらのサーカスか、そしてそのうちのどの曲にするか、これもとても迷いましたが、シャンソン(フランス)のカバー曲であるという意味で当時はとても珍しかったこちらにしました。日本純正の歌謡曲では聴くことができなかったコード進行やムードのある雰囲気は、少年時代の私にはとてもオトナな味がしてとびきりカッコ良く感じられたことでした。

Mr. Summertime (a.k.a. Une Belle Histoire) / Circus 1978

 

 

アリス – 遠くで汽笛を聞きながら

稲垣潤一さんの「ドラマティック・レイン」と同様、この曲もすぐに空で歌えるようになるほど聴きまくりました。メンバーの谷村新司さんと堀内孝雄さんがそれぞれ作詞と作曲を担当して生まれたこの曲は、数あるアリス時代のヒット曲の中でも最高傑作ではないかと思います。どのミュージシャンも一度はつかう、いわゆる「黄金のコード進行」による1曲ですが、壮大なサウンドアレンジと谷村新司さんの心に響く歌詞が冴え渡って陳腐さのかけらも感じさせません。

遠くで汽笛を聞きながら アリス

 

 


 

小林明子 – 恋におちて -Fall in love-

ここから数曲、私が「歌謡曲とJ-POPの境界線上」にあるのかなと感じる数曲をピックアップしています。1980年代からテレビドラマやアニメとのタイアップというプロモーション方式が生まれ、こちらはその流れの中でも最も有名な曲の一つではないかと思います。美しく官能的なメロディが心に鳴り響くのはもちろんのこと、湯川れい子さんによる歌詞・・・たとえば「迷子のように立ちすくむ わたしをすぐに届けたくて」「ダイヤル回して手を止めた」「土曜の夜と日曜の 貴方がいつも欲しいから」といったフレーズに、大人になってから身震いするほどに感動しました。「わたしは恋に落ちたただの女なのよ」と道ならぬ恋を歌った名曲で、英語詞で歌われるという点も画期的でした。

JPN-Live-Akiko Kobayashi-Koini Ochite Fall in love-Leg:romano

 

 

尾崎亜美 – オリビアを聴きながら

歌で最も盛り上がるサビの最後の最後の瞬間に、さらにもう一段テンションを上げて盛り上げるというメロディ進行は、尾崎亜美さんの偉大な発明ではないかと思います。最近では普通によく聴かれますが、その元祖はたぶんこの曲ではないでしょうか。ピアノ弾き語りで絞り出すようなハスキーボイスは、この曲の切ない雰囲気とピッタリでウットリさせられます。

オリビアを聴きながら/尾崎亜美

 

 

鈴木雅之 – め組のひと

グループ時代にはアメリカのオールディーズやブラックミュージックの影響を強く受けた曲を歌い、まさしく日本音楽界に新風を注ぎ込んだ鈴木雅之さんによるファンキーなダンスチューンです。繰り返しお伝えしていますが、このバラエティの広さこそが日本の歌謡曲の最大の魅力なのです。この曲なんて、昨日リリースされた新曲だと言われてもまったく違和感がないくらいの鮮度だとも感じます。それにしても鈴木雅之さん、こんな風にカッコ良くてファンキーな60歳になりたいなと思いますね。

鈴木雅之 め組のひと

 

 

薬師丸ひろ子 – セーラー服と機関銃

昭和歌謡の曲に「タイトル大賞」を贈ることができるなら、迷わずこの曲を選びます。「セーラー服と機関銃」。何回生まれ変わっても、自分にこのタイトルを付けるセンスはないだろうと思います。実はオリジンは作家・赤川次郎さんの同名小説のタイトルなのですが、薬師丸ひろ子さん主演の傑作映画のインパクトがとても大きいですよね。セーラー服姿の薬師丸ひろ子さんが機関銃を撃ちまわし「カイカン・・・!」とつぶやく有名なシーンでは、ご多分に漏れず私も完全に悩殺されました。ただし来生えつこ作詞・来生たかお作曲のこの同名タイトルの主題歌の美しさもまったくそれに負けません。この曲があってあの映画がある、といえると思います。

薬師丸ひろ子 セーラー服と機関銃 (2013年10月)

 

 

ゴダイゴ – 銀河鉄道999

アニメとのタイアップで最も有名なのはこの組み合わせかもしれません。「セーラー服と機関銃」と同様、アニメとこの主題歌のどちらかが欠けても絶対に成立し得ないという希有な関係性だと思います。メーテルが美しい・・・。

銀河鉄道スリーナイン The Galaxy Express999 ゴダイゴ

 

 

杏里 – CAT’S EYE

杏里さんのキャッツアイでは、こんな映像を見つけました。漫画家・北条司さんの「キャッツアイ」と「シティハンター」はアニメ×主題歌の組み合わせがシビれるほどにカッコ良く、これは現在に至るまで「超えられない壁」として君臨していると感じます。もっとも、この映像自体の主役は言わずもがなですが・・・笑。

キャッツアイ

 

 


 

山口百恵 – さよならの向こう側

さあ、ここからは「レジェンド枠」です。私ごときが語るのは甚だ僭越なのですが、昭和歌謡を彩った伝説級の方々をぜひご堪能下さいませ。こちらは山口百恵さんの引退直前のステージです。ファンへの感謝を「さよならの代わりに」美しく歌い上げるこの曲は、山口百恵さんを伝説たらしめた立役者でもあるソングライターコンビ阿木燿子作詞・宇崎竜童作曲による数々の名作の中でも最高傑作ではないかと、私は感じます。逆にいうと、あのときあのタイミングで山口百恵さんが引退を決断していなかったらこの曲は生まれていなかったはずなので、なんと言いますか、人や人の人生というのはやはり「つながる巡り合わせ」なのだなと感じます。

山口百恵・さよならの向こう側 最後の夜ヒット (1980年)

 

 

ザ・ピーナッツ – 恋のバカンス

昭和歌謡の中期を彩った双子の姉妹による女性デュオで、少年時代には白黒映像でしか観たことがなかったので、YouTubeでこの映像を見つけて本当にビックリしました。こうして聴いてみると、当時で完璧に完成されたパフォーマンスであることに改めて感動させられます。「バカンス」という「横文字」をつかったタイトルも、きっと当時はとんでもなく新しかったんでしょうね。お二人とも既にこの世を去られ、きっと天国で仲良く歌っておられることと思います。

ザ・ピーナッツ「恋のバカンス」

 

越路吹雪 – 愛の讃歌

日本人シャンソン歌手といえば越路吹雪さんです。今日ご紹介しているミュージシャンの中では最も早くの生まれで、昭和歌謡が完成を迎える1980年代には既に亡くなっているレジェンドの中のレジェンドです。真上のザ・ピーナッツもそうなのですが、こうした方々の貴重な映像が気軽に観られるようになったのは、IT時代の大きな功績であると感じずにはいられません。この圧巻のステージ、他の誰がマネできるものでしょうか。

越路吹雪 – 愛の讃歌 (from 「越路吹雪 華麗なる世界」)

 

 

坂本九 – 明日があるさ

後世に渡って支持され続ける名曲ですが、坂本九さんのオリジナルがやはり最高なのだと痛感させられる映像です。舞台上を躍動し、オーディエンスに語りかけるように、そしてときには彼らを鼓舞するように、「明日があるさ 明日があるさ」とやさしく笑いかけるその表情はもはや神々しさすら感じさせます。最後の最後、「若い僕には夢がある」の歌詞を「若い僕らにゃ夢がある」と歌われているところで、こらえきれず涙が出てきていまいました。なんてステキなステージなの・・・。

坂本九 明日があるさ Kyu Sakamoto Ashitaga Arusa

 

 

ちあきなおみ – ねえ あんた

もう、こちらは私があれやこれやお話しする必要はないように思います。この表現力・・・本当に言葉になりません。私に物心が付いたとき、現役でいて頂きたかった歌い手さんの筆頭です。

Naomi Chiaki " a Woman loves a Man " 1992

 

 

美空ひばり – 川の流れのように

少女時代からあらゆるジャンルをすべて完璧に歌いこなし、そして最後は秋元康さんが作詞した新世代の歌謡曲であるこの曲を歌ってこの世を去った美空ひばりさん。Whitney Houstonのコラムでも書きましたが、私は今まで、この方以上の歌い手さんには出会えていません。かみさまが私たち日本人にひととき預けて下さった宝物だったのではないかと、私は思います。

【最後の映像】 美空ひばり/川の流れのように

 

 

ザ・ドリフターズ – ドリフのほんとにほんとにご苦労さんスペシャル

ここまで私の趣味でしかない長文コラムにずっとお付き合い下って本当にありがとうございました。長かったこのコラムもこの曲がラストです。大トリは、私も少年時代にテレビにかじりついて観ていたザ・ドリフターズのこちらで楽しくまいりましょう!

「日本の皆さん!今年はほんとうに、ほんとうに、ご苦労さま!!」

Drifters