こんにちは、インタレストです。
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本記事では、イベントの目玉アイテムの1つである青梅嶋生地のシャツにつきまして、その詳細についてご案内いたします。
壺草苑 青梅嶋シャツA
価格 (税抜き): 98,000円
生地・色: 青梅嶋生地1~6
サイズ: フリー
素材: コットン83%・シルク17%
オンラインストア(詳細情報・通信販売): オンラインストア特設ページへ
壺草苑 青梅嶋シャツB
価格 (税抜き): 98,000円
生地・色: 青梅嶋生地1~3、6
サイズ: フリー
素材: コットン83%・シルク17%
オンラインストア(詳細情報・通信販売): オンラインストア特設ページへ
今回の企画の大前提である「青梅嶋とは何か」につきまして、この日のブログ記事からの引用で改めてご説明させて頂きます。
★「青梅嶋」と壺草苑の歴史
現在の東京都青梅市をその発祥の地とする「青梅嶋」は、経糸に綿糸と絹糸を、緯糸に綿糸を合わせた縞柄・格子柄の綿織物(正確には綿絹織物)で、江戸時代、主に庶民層の日常着として大流行しました。
当時の庶民層は、高価な絹糸をつかった着物の着用を禁じられていたのですが、青梅嶋では経糸に密かに絹糸を忍ばせて織られているので、木綿の着物に比べて風合いのニュアンスが豊かで、江戸町民の「粋」の感性に響いたといいます。
江戸時代ですから、当然ながら化学染料は存在しません。青梅嶋の縞柄・格子柄は、藍色をベースに黄色や緑・赤などで表現されているのですが、それらすべてで草木染めの技術がつかわれています。
テレビや映画で見られる江戸時代の町人たちを描いた時代劇で、町娘などが着ている「藍色をした縞柄の着物」は、青梅嶋がそのモチーフになっているとする説も有力です。
この青梅嶋は、その頃のいわゆる「オシャレ」の最先端だったのですが、明治時代に海外からインディゴをはじめとした化学染料が入ってくると次第に衰退していき、そのままその一切が途絶えてしまいます。安価で容易、大量生産に向いている化学染料が、近代化が加速する日本社会に浸透していきました。
そして時は流れて、今から25年ほど前、東京都青梅市に工房を構える壺草苑で、この青梅嶋を復刻させようというプロジェクトが立ち上がります。
研究開発も含めておよそ5年の歳月を経て、「綿糸は手紡ぎの糸を使い、染色には、綿糸は天然藍を、絹糸は、藍・梅・やまももなどを用い、それを手織りで織り上げて」(手元資料より)、江戸時代当時の青梅嶋の完全な復刻に成功したのです。
5年ほど前、当店インタレストでは、そうして復刻に成功した青梅嶋の経験を土台に、当時の技術・機械をつかって、青梅嶋ならではの手紡ぎ・手織りの風合いを忠実に再現しようと織られた生地(=こちらも10年物デッドストック)をご紹介し、たいへんなご好評を頂戴いたしました。
そして今回ご紹介するのは、20年前に織られた青梅嶋の反物のまさに実物です。色とりどりですが、すべて草木染めされた糸によって手織りで織られている、「同じものは二度とつくることはできない」(工房)というきわめて貴重かつ稀少な反物です。
★青梅嶋生地の実物の質感や特徴につきまして
青梅嶋の質感は、正確には手元にある6種類それぞれで微妙に異なるのですが、全体的に程よいハリ感がありながら、きわめてしなやかで軽やかです。薄手で肌当たりも良く言うことなしなのですが、さらに独特のコシもあって、繊細ではなくむしろ「丈夫そう」という印象を持ちます。
それぞれ草木染めで染められたシルクの金糸や赤糸、あるいは藍糸が美しい光沢を放ち、それが深いコクのあるコットンの藍糸とともに縞柄に織られることで、この上なく上品ながら、それでいてその根底で庶民的な雰囲気が漂う、なんとも「粋」な生地に織り上がっています。
また、遠目ではまったく分からないのですが、近づいてよく見ると生地の表面には細かな節があり、これはこの生地が手織りで織られたことを物語っています。とても20年以上前に織られたとは思えない完璧で緻密な縞柄と、その状態の良さも際立ちます。
そう、それからこれは撮影していて本当に驚いたのですが、たぶん光による視覚的な効果もあって、この生地の反物やシャツの表面を藍色の膜のような層が覆っているような、なんとも雅な見え方になります。
以下の画像4枚、おそらくそのことをご確認頂けると思います。ほんのコンマ何ミリかの藍色の膜に覆われているかのような・・・。角度によっては、画像でなく実物を見ていても感じる不思議な現象です。
*青梅嶋生地の種類(1~6)につきまして
今回ご用意している青梅嶋生地は、全6種類です。便宜的に、こちらの画像の左からそれぞれ1,2,3,4,5,6といたします。(オンラインストア特設ページでも同様の表現をしております。)
4,5では藍染めされたシルクの藍糸・・・これがコットンの藍糸よりも淡く鮮やかな色味なのですが、それがつかわれているため、1,2,3に対して実物でも明らかに藍味(青み)が強いです。
6はハッキリと赤みが強く、藍色と相まって全体的にパープルがかった色味になっています。(おそらく茜染めとみられる)シルクの赤糸が素晴らしく効いています。
そして画像1枚目&2枚目ともに、左から1,2,3です。
これらそれぞれの違いは、特に単体で見てしまうと見間違ってしまうくらいに「ニュアンス」なのですが、こうして画像を並べて見比べて頂きますと、ハッキリお分かりになるかと思います。
視覚的な見え方の違いは、(おそらく山桃染めとみられる)シルクの金糸の量の違いによるものです(1>2>3)。1,2,3でつかわれている藍糸はすべてコットン糸なので、その深い濃紺の色味と華やかな金の色味のコントラストが最高に美しい3色です。
それにしても、上記の引用部分で「5年ほど前、復刻に成功した青梅嶋の経験を土台に、当時の技術・機械をつかって、青梅嶋ならではの手紡ぎ・手織りの風合いを忠実に再現しようと織られた生地(=こちらも10年物デッドストック)をご紹介した」と書きましたが、「ああ、あれはこの生地がモデルだったのか」と、強い感慨を覚えます。
当時の生地でお持ち下さっているお客様も多くいらっしゃると思いますが、両者はまったくの別物です。それは「良い・悪い」という単純な話ではまったくなく、そもそもの「生地の種類」がまったく異なります。(表情・質感・色味・・・何もかもがまったく違います。似ているのは独特の縞柄模様であるという点だけです。)
本記事では青梅嶋生地の実物のスゴみを、少しでもお伝えしたいと考えております。(以下の画像は1枚目~6枚目がそれぞれ生地1~6です。)
★青梅嶋生地をつかった新作シャツを2型ご紹介いたします
*「青梅嶋シャツ」のコンセプトと制作経緯について
工房から青梅嶋生地の存在と、それをつかった「洋服」の制作を考えているというアイデアを聞いたのは、昨年の夏の終わりだったと思います。そのときに反物の実物も見せてもらって、その美しさに震えるほどの感動を覚えたことを鮮明に記憶しています。
いろいろ議論をしたのですが、そのときにポイントになったのは大きく以下の3点でした。
- 圧倒的に大きかったのは、生地幅が約40cmしかないという「洋服」をつくるには厳しすぎる制約をクリアする必要があったこと
- その上で、この生地の極上のクオリティを一切邪魔しないデザインであるべきということ
- さらにその上で、用尺の効率を徹底的に高めて「高価すぎない価格」を実現する必要があるべきということ
「生地で魅せる」という意味ではワンピースやスカートも良いのですが、それ1枚で生地1反をつぶしてしまう面積になる上、そうしたとしても横幅がまったく足りずにパターン・縫製で高度な工夫が必要になりそう=ものすごく高価になってしまいそうということで、早々に却下となりました。
シャツも構築的・立体的なパターンなのでどうなのかなと思っていたのですが、実際には諸々の諸条件をクリアして素晴らしいアイテムに仕上げて納品してきてくれました。
価格は98,000円+税と、これだけで見ると高価という意味で「破格」なのですが、実はもとの生地値やパターン・縫製の原価を考えるとリーズナブルという意味で「破格」にしてくれています。(本当に・・・かなり無理をしてがんばってくれています・・・がんばらせてしまったか・・・汗。)
*新作シャツ2型の違いについて(A型 or B型)
さて、新作シャツは2型展開と書きましたが、実は両者の違いは後ろ身頃の着丈しかありません。
実は、もともとはここでご紹介する「B型」のパターンしかなかったのですが、工房と打ち合わせをしたときに私たちが提案した「A型」のパターンも追加でつくってくれました。後ろ身頃の着丈しか違いませんが、両者でお客様のお好みは大きく分かれると思いますので、両方ご提案できてとても嬉しいです。工房にも心から感謝しています。
こちら画像1枚目&2枚目は、前身頃と後ろ身頃の着丈が同じバージョンで、こちらを便宜的にA型としております。上の生地の種類と合わせて、この画像のシャツは「青梅嶋シャツ4-A」となります。
一方画像3枚目&4枚目は、前身頃に対して後ろ身頃が長いバージョンで、こちらを同じくB型としております。上の生地の種類と合わせて、この画像のシャツは「青梅嶋シャツ1-B」となります。
(A型とB型の前身頃の着丈は同じ59cmで、後ろ身頃の着丈は前者が59cm・後者が66cmです。その他の実寸値につきましても、オンラインストア特設ページにてご確認頂けます。)
*シャツの形・ディテール・シルエットなどについて
後ろ身頃の着丈以外の構造・ディテールはA型・B型共通です。そこでこちら「青梅嶋シャツ4-A」で、このシャツの構造的な特徴についてご紹介いたします。
幅40cmの反物生地をつかうことが前提で、「こうせざるを得なかった・・・」が「こうなってステキ!」に見事に昇華されているパターニングとデザインの妙を、ぜひご確認頂けましたらと思います。
まずはこちらの画像2枚目、このように前身頃を開けてサラッと羽織りのように着てもかなり素敵です。身幅が大きいので、この着方も相当絵になります。
画像1枚目&2枚目、肩が落ちるデザインでアームホールも大きく、身幅など横の寸法は相当ゆったりのサイズ感です。
画像1枚目、ボタンは洗練されたホワイトシェルボタン。画像2枚目、素肌で着ても気持ちの良い生地です。
ディテールで最も特徴的なのは、袖先カフスの部分です。ボタンを開くと画像1枚目のようになり、それを画像2枚目のようにかぶせてボタンホールに留める仕様になっています。
画像1枚目、カフスボタンをきつく締めると袖先ボタンはこのように2つ見え、そして画像2枚目、全身で見ても袖先の見え方はとてもスマートなシャツに見えます。(形は「青梅嶋シャツ3-A」です。)
一方、こちらの画像1枚目、カフスボタンを緩めて締めると袖先ボタンはこのように4つ見え、そして画像2枚目、全身で見たときに袖先がこうして広がって比較的カジュアルな見え方になります。(形は「青梅嶋シャツ6-B」です。)
画像1枚目&2枚目、後ろ身頃は真ん中で切り替えが入っていて、左右それぞれに生地の横幅の目いっぱい(←縫製部分を合わせて)がつかわれています。このつくりなので、このシャツは生地1反につき2枚しかつくることができません。
シルエットについてはこの通り、その大きな身幅(=画像3枚目&4枚目)の割りにとても美しく、インタレストの大好物でもあるスタンダードなボックスシルエットで飽きもきません。すぐ下で触れるように、その合わせ方も自由自在で間違いなく万能です。
*シンプルなデザイン&シルエットで、着合わせやスタイリングが無敵です
青梅嶋シャツは1~6どの生地も「藍染め感」がとても控えめで、かつシャツの形やシルエットもきわめてシンプルなので、どんな洋服とも合いますし、どんな着方も楽しんで頂けます。
今回はいつもモデルをしている当店女性スタッフY(身長160cm)に、この青梅嶋シャツと様々なブランドの様々なアイテムとを着てもらい、バリュエーションも豊かにスタイリングをつくってみました。(横や後ろの姿など、スタイリング画像の詳細につきましては特設ページの個別アイテムからご確認下さいませ。)
Robes&ConfectionsのスラックスやLOKITHOのクロップドパンツなどの「きれいめ」アイテムはもちろん、SancaのデニムパンツやRobes&Confectionsのイージーバギーパンツなどのカジュアルウェア、ANITYAのラップスカートやRobes&Confectionsの柄物スカートとの相性もすべてバッチリで、撮影していて本当に感動しました。
シンプルなシャツであるA型を着たルックについては、意識的に「きれいめスタイル」を目指してつくってみました。
後ろ身頃が長いシャツであるB型を着たルックについては、意識的に「カジュアルなスタイル」を目指してつくってみました。ただ、実際にはA型・B型ともに「きれいめ」も「カジュアル」もこなしてくれます。
*追加のご提案 -その1:セットアップでシンプルなバッグをご用意いたします
本会期中にサンプルが送られてくる予定という、本当に最近になってから沸き上がった話なのですが、シャツをお買い上げ下さったお客様に、そのシャツと同じ生地でおつくりする、シンプルなファスナーバッグをご用意できることになりました。価格は13,000円+税です。
オンラインストア特設ページにて、シャツと同時購入もできるようにしておりますのでご確認下さいませ。
以下の画像でご覧頂けるように、A4サイズの書類等が入るマチのないシンプルなファスナーバッグで、基本的にはご自身のメインバッグに入れてつかって頂くことになるかなと思います。お仕事先などで取り出したとき映えまくるかもです。
このバッグ単体でもオーダー頂けます。詳細につきましては、この日のブログ記事をご参照下さいませ。
*追加のご提案 -その2:シャツのセミオーダーを承ります
今回おつくりしたシャツの現物は、たとえば身長165~170cmくらいになると着丈や袖丈が足りなくなるかもしれません。またデザイン的には男性でも着られるシャツなのですが、男性の場合どうしても袖丈は足りないことが多いと思います。
そこで「縦の寸法のみ」&「用尺的に可能な長さまで」で、かつ生地1,4~6の4種類限定で、セミオーダーを承ることになりました。(たとえば「袖丈+4cm」「着丈+5cm・袖丈+2cm」など) こちらもオンラインストア特設ページにてご相談ページをご用意しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ。
身幅・肩幅など「横の寸法」の修正については、今回はご対応いたしません。(幅が約40cmという反物生地をつかうことが前提の特殊なパターンで、横の寸法をいじるのは難しいだろうとのことです。)
また、シャツの現物が完売している場合、あるいは今回は入荷していない「青梅嶋シャツ4-B」などをご所望の場合、現物そのものと同じ寸法でよろしければ、オプション料金なしで1点ずつ縫製し、ご用意することができます。こちらもぜひお気軽にご相談下さいませ。
なお、申し上げるまでもないことですが、生地在庫はきわめて限定的で、かつ今後の復刻は完全に不可能という希少品です。ご所望の場合は、ぜひお早めにお求め&ご相談下さいませ。
★こちらも注目アイテム、「浴衣地シャツ」につきまして
以下、青梅嶋生地ではないので番外編ですが、同じく販売会の要注目アイテムです。
壺草苑 浴衣地シャツA
価格 (税抜き): 47,000円
生地・色: 浴衣生地(反物)
サイズ: フリー
素材: コットン100%
オンラインストア(詳細情報・通信販売): オンラインストア特設ページへ
壺草苑 浴衣地シャツB
価格 (税抜き): 47,000円
生地・色: 浴衣生地(反物)
サイズ: フリー
素材: コットン100%
オンラインストア(詳細情報・通信販売): オンラインストア特設ページへ
こちらはコットン100%の反物で、もとは浴衣に仕立てるための生地なのだそうです。そしてなんとこちらも青梅嶋と同じくらいの歴史がある・・・つまり20年近く前のデッドストック生地とのこと。バリッとした生地感がカッコ良い、こちらも縞柄の生地です。
もともとの生地値を聞いたら、こちらも飛び上がるような価格でビックリしてしまいました。(それでも青梅嶋と比べれば段違いにお安いのですが、文化的価値も高い青梅嶋は本当にスペシャルなので・・・汗。)
この浴衣地で縫製されたシャツも、それぞれA型・B型で入荷しています。扱いやすいコットン100%ということで、「ガンガン着まくりたい!」という方には、むしろこちらがオススメかもしれません。ぜひ合わせてご検討下さいませ。
たいへん長くなってしまいましたが(汗)、本日は以上です。
開催中の壺草苑オンライン販売会、多くのお客様のご参加を心よりお待ちしております!
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★大切なお知らせ
緊急事態宣言下のインタレストの営業内容につきましては、こちらのブログ記事にて詳しくご案内しております。
各種お問い合わせにつきましては、問い合わせフォームよりお願いいたします。(電話には出ることができません。)