【MV full】 恋するフォーチュンクッキー / AKB48[公式]

 

 

2019年4月30日の「平成最後の日」、もともとは「平成最後の音楽コラム」として、この曲をアップする予定でいました。「どの曲がいいかな」と考え始めたと同時に「あっ!」と直感し、個人的にはもうこの曲以外あり得ないという感覚でした。

昨年の暮れに昭和歌謡特集の長文コラムをご紹介しましたが、日本における昭和(戦後)のポピュラー音楽史は歌謡曲と演歌の隆盛であり、同じく平成のそれは歌謡曲から派生したJ-POPの栄枯盛衰だったのだろうと思います。

また一方で、平成は「アイドルの時代」でもありました。ただしその「前半~半ば」と「後半」とでは、それぞれにまったくその性格が異なり、長くなるのでその理由は割愛するとして、私にとって前半~半ばのアイドルの象徴(≒完成形)は森高千里さんで、後半(というより終盤)のそれはAKB48でした。

ただし、「平成のアイドル」像の存在感もおそらくピークアウトしていて、令和では(仮に「アイドルの時代」が続くとしても)まったく別のアイドル像が求められるのかもしれません。(そしてその意味では、PerfumeやBABYMETALなどがその先陣を走る存在なのかもしれません。)

 

要するに、少し気取った表現になってしまいますが、AKB48は「平成最後の平成アイドル」なのだろうと思うのです。

この曲「恋するフォーチュンクッキー」は、恥ずかしながら私がAKB48で唯一知っている曲なのですが、それはなぜなら「つくり」が歌謡曲でアレンジがディスコサウンドという私の大好物同士の組み合わせで、すぐに大好きになったからです。キャッチーなメロディも実に歌謡曲的で、一度聴いたら忘れられません。

また、この曲でセンターを務める指原莉乃さんは、これも誠に恥ずかしながら私にとってグループのメンバーで唯一顔と名前が一致する方です。(それはつまり、「(エンタメ事情に疎い)私ですら知っている」ということです。) 秋元康さんをして「AKB48とは指原莉乃のことである」と言わしめる彼女が、平成最後のタイミングでグループを卒業したことも象徴的な出来事だったように思います。

さらにいうと、ここでアップしたミュージックビデオもきわめて平成的ですよね。たくさんの人たちが笑顔で一緒にダンスを踊る姿は多幸感に満ちていて、相次いで大災害に見舞われた平成の時代に必要とされた、そして先の天皇陛下(現上皇さま)や今上陛下がまさにその「象徴」として体現されている、日本人同士の「絆」であったり「一体感」や「縁」であったりを強く感じさせます。「アイドル」が本来的に持っている魅力がきらめき輝く、とても素晴らしい仕上がりだと思います。

 

・・・というようなことが、瞬間的に怒濤のように頭に流れ込んできて、この曲こそ「平成最後に聴く曲」なのかなと直感したことでした。

始まった新しい令和の時代が、この曲のように、このミュージックビデオのように、笑顔あふれる楽しい日々でありますよう祈念いたします。