デビュー当時から聴き続けているアイスランドのピアニストÓlafur Arnalds(オーラヴル・アルナルズ)の新作は、美しくも儚いマイナーコードのフレーズを基本的には繰り返しながら、静寂の出だしから後半に向かってどんどん盛り上がっていくという、まさに彼の音楽ならではの展開・・・なのですが、その後半の盛り上がり方がきわめてアグレッシブで、しかも目の前が真っ白になってしまうようなたいへんな恍惚感があり、聴いていてたいへん驚かされました。

前半~中盤の入り口までのピアノ+ストリングスのクラシカルな構成は聴き慣れた感じですが、中盤電子音が飛び交うようになったあとの怒濤の展開、とりわけドラミングがカツカツ鳴り始めるあたりから終盤にかけての、何かキラキラしたものに全身が包み込まれるような感覚はスゴイものがあります。

常にいろいろなことにチャレンジしてきた人なので、「新境地」というとやや語弊がある感じですが、ただデビューした頃を彷彿とさせるノスタルジックなサウンドメイキングと、今の彼だからこその新しいチャレンジとが同居しているこの新曲には、胸を躍らされる感覚があります。これはますます今後の活躍が楽しみです。

ところで、アイスランドは人口40万人にも満たない国ですが、Björk(ビョーク)、Sigur Rós(シガー・ロス)、今回ご紹介したÓlafur Arnalds(オーラヴル・アルナルズ)といった世界的に活躍する、そして私自身が大ファンであるミュージシャンを輩出している本当にスゴイ国という印象を持っています。いったいこの国の何がこういった優れたミュージシャンを生み出すのか、いつも強い関心を抱いています。